『君の隣』
 第二章 P8


「お前のファンの奴らが知ったら倒れるな」

 貴俊の言葉をバカみたいだって思ってるのにそれでも俺は特別なんだって言うその言葉が素直に嬉しい。

 でも俺からは嬉しいなんて絶対に言ってやらないけど。

 祐二はなるべく頬が緩まないようにわざと眉間に皺を寄せた。

「祐二が倒れたら真っ先に助けに行くよ」

「ばっか!何で俺が倒れるんっ…」

 またしても簡単に唇を奪われてしまった。

 だが今度はなかなか離そうとせずに唇を割ってはいると祐二の歯列にゆっくりと舌を滑らせる。

「た…っか…んッ」

 なんでこんなにこいつのキスってこんなにエロいんだよ。

 巧みな舌の動きに祐二の体はふにゃと貴俊の体にもたれかかると、貴俊は髪を撫で耳の後ろを優しく撫でた。

「祐二…好きだよ」
 
 貴俊の甘い声が耳の奥に響くと背中がゾクリと震えて服にしがみついた。

「んッ…あぁっ」

 貴俊は祐二の耳たぶを唇で甘噛みしながら祐二のズボンの膨らんだ部分を大きな手の平で撫でた。

「気持ちいい?苦しそうだね」

「やめろって。そんな事…んッ…んふ」

 祐二が抵抗しようとすると貴俊は再び唇を重ねて動きを封じながらベルトを外してズボンの前を拡げた。

「すごいね。もう…こんなに大きくなってる」

 下着の上から包み込むように触るとゆっくりと動かし始めた。

「貴俊…っ、あぁッ…ダメだって…」

 貴俊の手をどかそうと手を伸ばしても無理矢理どかす事は出来ずに貴俊の手に重ねているだけだった。

 やべぇ…気持ちいぃ…。

 目を閉じて息を荒くする祐二に貴俊がキスをすると自分から舌を出して強く吸い付いた。

「ふっ…んッ…ちゅッ…ン」

 もう夢中だった。
 
 貴俊の手の動きも舌の動きのすべてが自分の中をかき回しているような感覚に溺れた。

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