『君の隣』
 第四章 P13


 祐二に体重をかけないように体を重ねた貴俊は祐二のTシャツをめくり素肌を露わにした。

 細く長い指は脇腹から脇にかけて撫でながら胸の小さな突起を掠める。

「ンッ……」

 小さな声を漏らす祐二は声が部屋の外に聞こえないように貴俊の二の腕に顔を押し付ける。

 そんな祐二を支えるように頭の後ろに手を回し抱き寄せた貴俊は首筋にキスをしながら指に髪を絡めたり耳を愛撫する。

 祐二はゾクゾクするような快感に体をくねらせて甘えたように鼻を鳴らした。

「声、我慢出来る?」

「うるせぇっ」

 少しからかうように囁いた貴俊は祐二に一喝されると首筋を行ったり来たりしていた唇を下ろして小さな桜色の尖りを口に含んだ。

 チュッチュッと音を立てて吸われる度に祐二の口から甘い吐息が漏れる。

 唾液でたっぷり濡れた突起から口を離すともう片方を口に含み濡れて輝く突起を指先で転がす。

 耳にまとわりつくその音に祐二は体を熱くさせていく。

「気持ちいい?」

「そこばっかり……やだっ……」

 快感で潤み始めた瞳で見上げた祐二は貴俊のシャツにしがみついた。

 貴俊の肩口に額をすりつける祐二に貴俊が頭を支えていた手でうなじを優しく撫でると小さな声が漏れた。

(どうしよう、俺もう……)

 久しぶりの愛撫で疼き始めた体を持て余す祐二は昂っている股間を貴俊の体にすり寄せた。

「祐二? 可愛い……」

 胸から唇を離した貴俊はこめかみにキスをすると体を起こしてシャツを脱いで上半身裸になった。

 窓から入って来る月の光に照らされた無駄のない貴俊の体に目を奪われた祐二はゴクッと喉を鳴らした。

 男のくせに色気のある貴俊に祐二は悔しさよりも憧れを感じた。

「貴俊……」

 この男を独占しているのは自分だけだと感じたくて手を伸ばした。

 その手を取って抱き起こした貴俊は祐二を自分の膝の上に座らせて唇を重ねると激しく舌を求めた。

「んっ、……ふっ、んちゅ」

「貴俊、貴俊、貴俊……」

 唇が離れた後も祐二は貴俊の首にしがみ付いて何度も名前を呼ぶ。

 その仕草の可愛らしさに貴俊の瞳の色が凶暴な色を含みぎらついた。

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