『君の隣』 第三章 P17
どちらが変態かなどと考えても仕方が無い事を食事中ずっと考えていた祐二はいつものように貴俊の家の階段を上っていた。
夕飯の後どちらかの部屋に行くのが習慣になっていた。
今日は母親にお使いを頼まれた祐二が貴俊の家に来た。
いつものようにノックもせずに部屋を開けた。
貴俊は暗い部屋の中でベッドの上に寝転がっている。
いつもなら本を読んでいるか勉強している事が多い貴俊が珍しく寝ているのを見て祐二はそっと近づいた。
ベッドの横に立って顔を覗き込む。
目を閉じて小さく肩が上下している。
(ちぇっ…寝てんのかよ)
それでも帰ろうとはせずに座り込むとベッドの上に顔を伏せた。
ベッドから貴俊の匂いがした。
(俺、やっぱり変態なのかも)
いくら自分が認めたくないと思っていても体はずっと正直だった。
祐二は膨らみかけた股間を手で押さえつけた。
毎日のようにしているのに貴俊の仕草や声を思い出すだけで反応してしまうようになった自分の体を呪った。
囁くように呼ぶ声と大きな手。
それに今朝の保健室の貴俊の姿を思い出すとズボンの中で完全に勃起した。
(やべぇ…どうしよう)
治まりのつかなくなったモノを上から手で押さえつける。
「はっ…」
自然と息が上がってしまう。
祐二はベッドに顔を押し付けながら背中を丸くした。
こんな事したいわけじゃないと思っていても体がそれを止めさせてはくれない。
祐二の右手は小刻みに動いている。
ズボンの上からのもどかしい刺激と貴俊の寝ている側でこんな事をしている羞恥で快感が高まる。
「ふっ…ふ…」
一度火の点いてしまった体はあとは昇り詰めていくだけとでもいうようにどんどん昂っていく。
徐々に手の動きは激しくなっていく祐二の耳に微かに衣擦れの音が聞こえた。
「ひゃっ…!」
突然耳を生温かいものが這った。
「やらしい声出して誘ってるの?」
すぐに状況を理解した祐二は体を硬くした。
(起きたのかよ…)
口を耳に付けながら囁かれて祐二の腰の当たりにもぞもぞとくすぐったいような刺激が走る。
「んぅっ」
ぺちゃっとやらしい音を立てながら耳たぶを口の中で転がされた。
ただそれだけなのに祐二の先端から蜜が零れた。
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