『君の隣』
 第三章 P18


「おいで祐二」

 貴俊の手が髪を撫で耳の輪郭を舌でなぞる。

 祐二は小さく首を横に振った。

 けれど祐二には次はもっと甘く誘われることを分かっていた。

「顔上げて?」

 ベッドにしがみ付くようにして布団に顔を埋めている祐二の顔を貴俊が優しく上に向かせる。

 暗くてはっきりと見えないのが救いだった。

 顔を真っ赤に染めた祐二の唇を貴俊は掬うように唇を重ねた。

 下唇を甘噛みしながら舌を挿し込む。

 くちゅくちゅと音を立てながら二人の舌が絡んでいく。

「んっ…ぅ…」

 キスをされただけで声を上げてしまう程敏感になってしまった祐二の体を慰められるのは貴俊だ。

 いくら自慰で気持ちよくなれても貴俊の時ほどではない事は体が覚えてしまっている。

「ほら祐二、気持ちよくしてあげるよ。おいで」

 甘い甘い悪魔のような囁き。

 祐二はノロノロとベッドの上に上がろうとした。

「俺の顔を跨いで…」

「や、やだっ…」

 この体勢が何を意味しているのか分かっている祐二は拒絶した。

「どうして?気持ちいいでしょ?」

 そんな事は十分分かっている。

 それでもまだ恥ずかしさが先行する体勢に抵抗したが貴俊の手に誘導されて顔を跨いだ。

 すぐに貴俊の手がジャージを引き下ろす。

 一緒に下着も下ろされて片足だけ脱がされて露わになった。

「あれ?もうヌルヌルだね」

 クスッと笑われて濡れている先端を指で弾かれた。

 祐二は体をビクンと震わせて声を上げた。

 先端からはまた新たな蜜が滲み出ると貴俊は指で絡め取りながらゆっくり扱き始めた。

「祐二、どうすればいいか分かるでしょ」

 貴俊を跨いで体を震わせているだけの祐二を促す。

 分かってる…分かってるけど…。

 祐二は貴俊のズボンと下着を下ろした。

 硬くなりかけた貴俊のモノを目にして思わず唾を飲み込んだ。

(分かってるけど…まだ慣れないんだよ)

 祐二は恐る恐る手を伸ばした。

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