『君の隣』 第一章 P8
「便利な世の中だよなぁ」
祐二は自室のベッドの上で鼻歌交じりに携帯をカチカチと操作していた。
「タダで見れるってサイコー」
目的のモノを見つけてボタンを押すと小さな液晶の画面に映像が流れ始めた。
「あんっ…あん…あっ…」
スピーカーからは可愛らしい声が聞こえて来た。
祐二はスウェットのズボンをずり下げるとまだ柔らかいペニスを取り出した。
画面の中では胸の大きな女の子が背面座位で突かれている光景が正面から撮られている。
「は…ぁ…」
画面に目をやりながら手をゆるゆると動かし始めた。
「ふ…ゥ…っ」
スピーカーから音が消えると次の動画を選択した。
「この子…可愛い…っ」
今度は女の子が騎上位で激しく腰を動かしているシーン。
「はぁ…ッ…ん…」
徐々に硬さを増すペニスを慣れた手つきで扱きながら目を閉じた。
祐二は前に付き合っていた彼女と初体験を済ませていたが別れた今はこれしかないのは少し寂しい。。
「彼女…作ろうかなぁ」
初めて彼女とエッチした時の気持ちよさを思い出してブルッと腰を震わせた。
目を閉じながら脳内に今見た映像や昔の記憶を浮かべながら手の速度を上げていく。
「あッ…はぁ…」
先端から先走りの液が滲み始めた。
「はぁ…ッ…」
先走りの液を指に馴染ませながら先端を擦る。
「ふ…ッ…」
カチャ−
視界の隅が動いた。
「えっ…」
ゆっくりと顔だけを向けると開かれたドアの向こうに立っている人物と目が合った。
「…ッア!」
思わぬ訪問者に咄嗟に体を折ってベッドに突っ伏した。
み、見られたっ!
恥ずかしさで全身を赤く染めて心臓はドッドッドッと狂ったように動き始めた。
カチャッ…ン−
ゆっくりドアの閉まる音がすると気配で近付いてくるのが分かる。
自分の心臓の鼓動がうるさいくらい耳にまとわり付く。
ギシッ−
ベッドの軋む音がした。
祐二はギュッと目を閉じて体を強張らせた。
「別に隠す事ないだろう」
優しく語り掛けるような声が聞こえてきた。
「祐二?恥ずかしいのか?」
な、何でそんな冷静なんだよ!
「顔を上げろ」
肩に手を掛けられてビクゥッと体を震わせると弱々しく頭を振った。
「で、出てけよ…」
「どうして?」
白々しい相手の返事に反応するようにガバッと体を起こした。
「プ、プライベートの侵害だっ!」
涙目になった祐二は叫びながら腰掛ける貴俊を睨みつけた。
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