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「クッククク…見たか、小波。シグナーといえども、しょせんはこの程度だ」
「お、おのれ…!」
「デュエルのダメージが実際の痛みになるなんて…ちくしょう、やることが汚ぇぜ!」
…BF使ってるお前が言うなよな……1キル出来るようなデッキ…勝ててよかった。
「…とはいえ、どうやらサーキットの下準備にはなったようだな?」
「え゛、かなり頑張ったのに!?」
サーキットって言うのか何かは知らないけど、なんかちょっとがっかり
「フン、ここで消してしまいたいところだが、今後もサーキットを描かせるためには、そうもいかん。
忘れるがいい、このデュエルを!その敗北の痛みだけを心の傷として残してな!」
「ぬぉっ!?」
「ち、ちくしょう…!」
……またマインドクラッシュ
「いやぁ、お疲れお疲れ。おかげで楽々データが手に入っちゃったよ」
プラシドによく似た格好の子がいつの間にか居た。…たぶんこの子が以前プラシドの言ってたルチアーノって子だろう
「ちゃんとクロウ ホーガンの分もスキャンしたんだろうな、ルチアーノ」
「まーね―。もっとも、今回コピーを作るのはデカイのの方だからコレが役に立つかどうかは知らないけどさ」
「フン、ホセの考える作戦は、時間がかかりすぎて手間どるばかりだ」
「そこは、老人の知恵ってやつじゃない?僕に言わせりゃ、プラシドもそんな変わんないけど」
「何ぃ?」
「…??」
何を言っているのか全くわからない…
「ヒッヒッヒ、相変わらずコイツ…小波にこだわってんだ?古い玩具は、ポイしちまえばいいってのにさ」
「え?君、俺の事知ってんの?!」
それに、玩具って…
だんだんと自分の中にあった嫌な予感を決定付けるワードが揃いつつある…
「黙ってろ、ルチアーノ。見たとおり、こいつはまだまだ役に立つんだ」
「勝手に新しいのもそろえようとしてるんだろ?ま、ホセにバレなきゃいいけどね…キーッヒッヒッヒ!」
楽しそうに笑ってルチアーノは去った。
…新しい…の?
「ガキめ、調子に乗りやがって…!見ていろ、いずれオレの手ですべての決着をつけてやる。この程度のデュエリストではなく、現デュエルキングの不動 遊星を血祭りにあげてな!
その時までは、小波、貴様にもまだまだ働いてもらうぞ、覚悟しておけ!」
「え…あ、ああ」
その日はずっと俺は、上の空だった
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