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 今日も練習すべく森の中へ進んでいけば先客がいたらしくシュウが彼らに向けてボールを打った
 見たことない少年たちはシュウのボールを止め、現れた私たちをどこかのチームと勘違いしているような言動を見せた
 よくよく考えれば島の各所に設置されているスピーカーから試合の指示のようなものが流れていたのできっと彼らがその試合に出るチームなのだろう
 私たちが違うチームだとわかったのは良いのだが今度はシュウが突っかかり始め、この森で練習をしたいと言い出した彼らと勝負をすることになった

「ナマエはそこで見てて」

 絶対に勝つからと笑みを浮かべたシュウを見送って私は木の下で座って試合を見ることにした、彼らの強さは分からないがきっとシュウたちが勝つのだろう
 試合は一方的ではなかったがシュウたちが押しているのは明らかだった、ボールを奪うのではなくしなやかな動きで相手を翻弄させるエンシャントダークならではの戦い方だと感じた
 あの時代の時と同じなのに何かが違っていてこの時代のサッカーには魅力があった

 試合に夢中になっていた私はヤギがピッチに乱入していたことに気がつかなかった、もし気づけたとしてもどうもしていなかったかもしれないけれど
 四人分の強力なシュートの軌道にそのヤギはいて、シュウが気づいた時にはもう遅く、このままヤギに直撃してしまうと思ったそのときだった

「そよかぜステップ!」

 一人の少年がヤギを抱えてボールから守り、そのままヤギを森へと帰した
 それ見ていたシュウが試合を中断させこの場を自分に任せてくれとカイたちに告げる
 カイたちエンシャントダークイレブンはシュウならばと少々納得いかない様子だったが森の中へと帰っていった
 私は立ち上がりシュウの元へ急げば向こうから大人が数人歩いてきて彼らに話しかけていた
 私がシュウの隣に着くと同時にシュウが両手を広げ彼らの注意をひいて口を開いた

「この森、君たちの自由に使っていいよ」
「なんで、急に!?」

 本当にシュウは何がしたいのだろうと横で眺めていると先ほどヤギを助けた子を指差して特に君が面白いと言い出した
 ぼんやりとシュウと彼らのやり取りを眺めているといつの間にか話題の矛先が私に移動していた

「ところで君は女の子なのにフィフスセクターの選手なの?」
「ふぃふ……?」
「彼女は違うよ、僕の幼馴染みで今はエンシャントダークのマネージャーをしてもらってるんだ」

 シュウの言葉にヤギを助けた少年こと松風天馬くんがよろしくと手を差し伸べたのでシュウと私は名前を名乗りその手を握った


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