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- ナノ -

 晴矢の手を繋ぎ米を買いに行くためスーパーに入れば風介がお目当てのお米を見つけ出した

「あ、俺持つよ」
「いい、容姿が晴矢でも名前に持たすのは私の意志に反する」
「やべー、風介かっこいい、何で晴矢と付き合ってんだろ」
「何なら今からでも私と……」

「浮気か! 死なすど!」
「はいはい、俺には名前だけだぞー」

 端から見たらホモにも見える会話をし、風介はお米を持ってくれるのでエコバックは私が持とうと預かる
 荷物を持って会計が終わるのをただ待っているのは暇だ、ぼんやりと店内を見渡せばよく見知った人物が目に入った
 ボーイッシュなセミロングにすらっと背の高い女の子、椿だ、以前にちょろっと話したこともある私の絶対無二の親友
 何でも話せる仲だがこんな不思議なことを言ってもいいのだろうか、といえかあんまり他言してはいけない気がする、そう言ってしまえばヒロトたちに教えたのも軽はずんだ行為だったのかもしれない
 まあ、とにかく今は椿が私たちに気づく前にスーパーを出なければ

「おい、静かに聞け、椿がいる」
「げっ」
「さっさと会計を済ませて出るぞ」
「だったら二人は先に帰っていていいよ、私が米を買うから」
「風介お前まじ男前、何で晴矢と以下略」
「略すな、早く行こう」
「おう、風介、好きなアイス買っていいよ、今日のお礼」
「名前好きだ」
「告んな!」

 繋いだ手を引っ張られ私はレジから遠ざかる、風介後は頼んだ
 そそくさとスーパーの出入り口に向かっていると後ろから声をかけられた、やばい、この安定したアルトボイスには凄く聞き覚えがある

「あれ、名前じゃん」


立ちはだかるもの


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