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プール授業なう(宮村視点)


 今日は男子の強制プールの日、俺と会長は無理矢理理由を付けて見学、ちなみに見学者はプールサイドの掃除をさせられる
 まあ、それはいいとして、せめて男女混合がよかった、なぜ男子だけなんだ……!

 そんなことを考えていると会長がプールに足をつっこんでいるのを見つけた

「あー、会長だけずるい!」
「なら宮村くんも入れば?」
「入るー!」
「こらっ、サボんな!」
「うげっ」

 俺もプールに足を入れようとしたら体育の先生に怒られた、くそう、プール……
 しぶしぶ掃除に戻ったら石川くんたちに笑われた、ぶーぶー言っているとプールサイドに座っている柳くんを見つけた
 あまりプールに入ろうとしない様子、どうしたのかなぁ

「(どうしよう、泳げないんだよな……)」

 そんなことを思っているなんて俺は気づかずにモップをせっせか動かしているとプールの外に堀さんを見つけた

「あ、堀さんじゃん!」
「あ、宮村」
「なに、もう帰んの?」
「女子は午前だけなの!」

 これからレミたちと買い物するの、と嬉しそうに手を振って帰って行った、俺も早く帰りたい
 会長も会長のサンダルを履いていった綾崎さんとやりとりが終わったらしく、自分のサンダルを履かれたというのに少し上機嫌だ
 それにしても疲れたな、そう思ってあと何分で授業が終わるのか時計を見ようとしたらプールの外から声が掛かった

「明音ー!」
「あ、名前」

 声の主は名字さんで、手を振って柳くんを呼んでいた、それに反応した柳くんがプールサイドからフェンスまで身を近づける
 それに気づいた他の男子も名字さんを見る、名字さんはフェンスが高かったからか近くに落ちてたビールケースのような物を持ってきてそれで高さを調節している

「まだ帰ってなかったの?」
「うん、明音と帰ろうと思って、後30分くらいでしょ?」
「ありがとう」
「いいのいいの、それより明音泳げるように……」
「うわああああっ!」

 柳くんがいきなり大声を出して会話を中断させた、柳くんの大声初めて聞いたかも
 みんなが柳くんを見ると、何でもないです、と必死になって弁解する、名字さんは小さく笑っていた
 それにしても名字さんは本当に柳くんが好きなんだなぁ

「プールいいなー」
「名前は小さい頃から泳ぐの得意だったもんね」
「へー、そうなんだ、ちょっと意外かも」
「あ、宮部くん」
「宮村だよ!」

 名字さんって卓球とか上手そうなイメージ、って言ったら卓球もそこそこ出来るよー、笑った
 思わず会話に加わってしまったが良かったのだろうかと柳くんをちらりと見れば楽しそうに笑っているので良しとしよう

「レッドチキン翔、あんたも見学なんだ」
「うるさい、俺がプール嫌いなの知ってるくせにからかうな!」

 さすがいとこ同士、とまで言える掛け合いを見ていると緑が楽しそうに寄ってきた

「楽しそう! 井浦も混ぜて混ぜて!」
「私もプール入りたいなー」
「え、井浦無視された……?」
「ええと、井浦くん……」
「柳くん放っておけ」
「ねえ私もプール入りたい! みんなと遊びたい」
「あ、それだったら今度みんなで海行かない?」

 そう提案するとみんなが同意してくれる、もちろん柳くんや会長も
 それから井浦くんが水着の話を持ち出した

「みんなどんな水着着るのかな!」
「堀さんは何を着てもあれだな……」
「かわいそうだよな、胸が」
「ああ、胸がな」

「ええっ……」
「明音は聞かなくていいの、それより、明音はどんな水着が好き?」
「えっ、どんなって……」
「ワンピース型も良いけどやっぱりビキニとか?」

 でもスタイルに自信ないなー、と言う名字さん、いや、十分にスタイル良いから、堀さんが羨ましがるくらい

「えっと……名前なら何でも似合う、と思う」
「あ、ありがと……」

 それから押し黙ってしまった柳くんを見れば名字さんを見つめたまま顔を赤くしていた
 それから名字さんを見やればこれまた顔を赤くしていて、二人の間の空気がピンクに見えた

「会長なんか甘ったるいんだけど」
「俺に言うな」


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