×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

ねずみ彼女(石川視点)


 とうとう俺の夢に出てきてしまった、まあやにゃぎが出てきたし予感はしていた

「何で堀は猫なのに他の女子はネズミなんだ?」

 俺の目の前には四匹の猫と二匹のネズミ、猫の方は言わずもがな堀と宮村と仙石と柳で、ネズミの方は吉川と、名字
 増えたのだ、名字が、名字のネズミが、ネズミの名字が、俺疲れてんのかな

 名字は同じネズミのゆきっちゅには目もくれずやにゃぎの尻尾に噛みついている、やにゃぎは最初こそ痛がったが別に気にしていない様子、むしろ受け入れてる、こいつらは夢の中でもラブラブかよ
 俺がやにゃぎと名字に気を取られている間にゆきっちゅがまたやらかしたらしい、猫たちが追いかけ回されていた
 こいつら猫のくせに弱え、ちなみに追いかけ回されているのは男どもだけで、堀は無視して寝ている

「こらゆきっちゅやめろ、嫌がってるだろ」
「やー、かじかじするー!」
「ったく、同じネズミの名字とかとじゃれてろよ」

 ゆきっちゅを掴んでやにゃぎといちゃついてる名字の元へと持って行く、そういやまだ名字の名前付けてなかったな
 名字につける名前を考えているとピンクと藍色の髪が見えた、二匹してベッドで丸くなって寝ていた
 俺たちが近づいたのが分かったのか名字がパッと目を覚ました、やにゃぎは起きない

「なまえっちゅ、なまえっちゅにしよう」
「なんかびみょー」

 なまえっちゅに一蹴されてしまった、でもこれは決定事項だ、諦めろ、ふはは
 そうだ、俺はゆきっちゅをなまえっちゅと仲良くさせるためにこっちに来たんだった
 俺がゆっくりとゆきっちゅを近づけるとなまえっちゅは驚いたように目を見開いてから臨戦態勢に入った、何があった
 そしてそのままゆきっちゅを睨み付けて寝ているやにゃぎをかばうように俺たちの前に立ちはだかった

「おいなまえっちゅ、どうしたんだ?」
「こっちくんな」
「トオル、こわいよー」
「あかねにちかづくな」

 何を言っても睨まれ続ける、何が何だがわからない
 どうやら俺ではなくゆきっちゅに対しての敵意らしくゆきっちゅを近づけたり離したりしたときの反応が激しかった
 自分の獲物に近づくな的なやつだろうか……?

 どう対処すべきか悩んでいるとやにゃぎが動いた、というか起きた

「……」
「あ、あかね……!」
「あ……」

 やにゃぎは眠たそうに周りを見やりなまえっちゅを見つけたと思えばそのまま抱きしめて二度寝した
 なまえっちゅは顔を赤くしてしばらく暴れたが観念したのか一緒にぐっすり寝てしまった

 しばらく見ているといつの間にか手持っていたゆきっちゅがいなくなっていた、つか背後から悲鳴が聞こえる
 振り返れば案の定猫どもが襲われていた

「こらー! ゆきっちゅやめろー!」
「やだもーん」

 くっそ、このやろー、だからクッションかじるなっつの!


 次の日の朝、学校へ行って柳夫妻に一言言っておいた

「このリア充め!」

「えっ……」
「は? 石川くん何言ってんの、頭おかしくなった?」

 柳くんにはきょとんとされたし、名字にはぶっ殺すぞ的な笑顔で見られた、泣きたい


 戻る