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▼瞳子妹が農大に通う05

・日本酒造り

「豆の監督補佐って言いたいところだけど、人数が偏っちゃうから私は米で」
 
 まあ先生が言い出さなくても私が精米機を借りるつもりだったから良いのだけど
 

「分担して夜も見ないと」
「あ、私レポートしなきゃいけないんで無理です」
「はああぁあぁっ!?」

「何でや!」
「ほら、農業経済学部は農学部と違ってレポート多いからさ」

 ちゃんと樹先生には言ってあるから大丈夫だよ、と満面の笑みを向ける



・オクトーバーフェス編

「私の知り合いのビール蔵もあるじゃん、ここらへんは私が担当するよー」
「じゃその辺は頼むわ」


「遥さん鞭やって、私が愛嬌振りまくからさ」



「うーん、自給率云々言うのも良いことではあるんじゃないかな、それに対して食の意識を変える人は少なからずいると思うし」


「足なっげーっ、小坂!」
「今時だ! 今時の子だー!」
「何なのっ、ちょっと名前助けてー!」
「あははっ、諦めたら楽になれるよ!」


「小坂は真面目でいい生徒です」
「そうだね」
「実のところ吉良もウチに欲しくて入学当初から目を付けていたのですが、真っ先に樹先生の所へ行きましたね」
「正確には長谷川くんの所だけどね」

 立花先生がそんな風に私を見ていたなんて、確かに入学当初からやたら私に話しかけてきていた



「ストーブ……名前は知ってた?」
「うん、一応」

 財閥の娘とはいえ父親はそれなりに庶民的な感覚もあったし、そこまで世間知らずではない
 お日さま園にもストーブはあった

〜〜

「みんなと出会って遥さんは変わった、もちろん良い意味でね」

 私は一緒の籠に入ってあげることしか出来なかったけど、みんなは遥さんの籠をこじ開けて自由にしてくれている
 遥さんは自由に羽ばたいて、私は独り籠に取り残される

「寂しい?」
「寂しくないって言ったら嘘になるけど、遥さんにとってはこれが一番なのよ」

 隣に座っているヒロトの肩に頭を乗せる、この温かさが心地よくて安心する

「あれ、何で泣いてんだろ、訳わかんないや……」
「姉さん……」

 気付けばヒロトに抱き締められていた

「ちょっと、ヒロト……?」
「大丈夫、姉さん……名前には俺がいるよ」
「……ありがとう」


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