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▼半田真一の災難03

 親譲りの可愛い容姿とさっぱりした性格で小学生の頃から人気者だった、器用で何事もスマートにこなして運動も勉強も出来たので女子からモテた、だから彼女は常にいた
 小学校卒業間近、高校生くらいのお姉さんに告白されてなんとなく付き合った、そのときにされるがままに童貞を捨てセックスの気持ちよさを知った
 中学に入ってからはサッカーにのめり込んでしまい彼女は作らなかったけど性欲処理としてたまに女を抱くことはあった

 まあ信念とまではいかないけど基本的には向こうから誘われるがままって感じ、告白されて部活に集中したいからって断るついでに一回抱くだけならいいよって言えば大抵の子は戸惑いつつも了承しちゃうんだよね
 そんで同じ中学の子とはやらない、噂となってそれが広まるのも嫌だったし、それで部活関係に影響が出るのはもっと最悪
 だから同じ中学の子だったら全部普通に断っていた、だからか雷門中では悪い噂は一切なかった

 一回抱いた子とは二度としないというのが僕の信念だった、信念というほど格好いいものではないが何と無く抱く気が起きないだけ
 それでいつしか僕のことをヤリチンと呼ぶ人間が現れた、まあ学外のことだったしもしそれが学内の誰かに知られて問い詰められたとしても根も葉もない噂だと一蹴していた

 んで、半田真一という奴と出会った、何事も中途半端で中途半田という言葉が出来るくらい半端な奴だ
 半田とは中学からの付き合いだった、きっかけはサッカー部の助っ人で最初は円堂が面白くて退屈しなさそうっていう理由から
 きっかけはそんなものだったのにこんなにも長い付き合いになるなんて思いもしなかったよ
 だから同じ高校の隣のクラスになったときは変な運命を感じてしまい鳥肌が立ったよ
 高校でもサッカーをするという半田に対して僕はどこの部にも入らなかった、まあ元々中学でサッカーをしていたのは円堂がいたからだったし
 円堂と違う高校に入った僕は一応サッカー部に仮入部をした、もちろんサッカー部の奴らは元日本代表候補の僕が入部すると思って期待していたみたいだけど僕は入らなかった
 この学校のサッカー部には中学の時みたいに僕を惹きつける魅力がなかった、それだけのこと
 結局中学でサッカー部に入る前と同じ学校生活を送っていた、つまりは持ち前の器用さを生かして各部の助っ人をするだけ

 あとの暇な時間は彼女を作って遊んでいた、もちろん向こうから誘ってこなければ一切僕からは何も行動を起こさない
 いろんなタイプの女と付き合ってセックスも沢山した、でも最近何か物足りなく感じ始めたのだ、喪失感ともいえるこの変な感じ
 セックスはいつも通り気持ち良いけど特別気持ち良いといいわけじゃない、何かが足りないのだ
 その喪失感をどう埋めようかと悩んでいるときに思い出しあのがあの噂、隣のクラスの名字名前という女の噂だ

 男を誘惑するには十二分な体を持ち容姿も群を抜いていると言う、しかもテクニックも凄いらしい、一度名字とセックスをしたという奴に写メを見せてもらったが容姿は僕好みだった
 しかも話によれば名字は半田と知り合いなんだとか、これはチャンスだと言わんばかりに半田に名字を紹介するよう言えば今日の喫茶店をセッティングしてくれた

 周りの客からの視線が気になるけど今はそれどころじゃない、植えた獣の如く目の前の名字をがん見したい気持ちを抑えて気にされない程度に見る
 綺麗な金髪が胸元まで伸びていて着崩して露わになった谷間に掛かってえろい、っていうか胸でかい、僕に近寄ってくる女と違ってグロスを塗っていないのに潤っている形の良い唇もまた、僕好み

「あー、名前、こっちは松野空介、中学のころにサッカー部で知り合ってそれから腐れ縁」


僕とお前の馴れ初めなんてどうでもいいからもっと僕の魅力を言えよな



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