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▼半田真一の災難02

 あたしは小さい頃から見た目も頭も良くちやほやされていた、それはつまり両親から良いところばかり遺伝したということでその点においては親に感謝している
 しかし両親の悪いところも遺伝してしまったようだ、それは性格、二人とも結婚できたのが不思議なくらい浮気性だったのだ
 二人は刺激と称して定期的に浮気をし合ってはお互いの良さを確認し合うという子供のあたしから見ても変な夫婦だった、まあ結局はお互いを愛し合っているからいいのだか
 その性格があたしにも色濃く遺伝していたらしくどうも男を誘惑するのが上手かった、あと飽きるのも早かった
 小さい頃は教師に色目を使ったりして宿題の罰を逃れたり同じクラスの男子に掃除当番を代わってもらったりと色々した
 さらには言いたいことをはっきりいうタイプだったら女子にも敵は多かった、でもその分友達も多かった、どうやらこのはっきりとした性格が好感をもたれているらしい

 そんないい加減なあたしを唯一叱ってくれる男がいるのだが、何事も中途半端で有名なそいつの名前は半田真一
 幼稚園の頃からの付き合いなのだが、こいつは、もはやゲイなんじゃないかと言うくらいあたしに対してそういった感情を持っていない
 あたしも真ちゃんに対してだけはそういった感情を持とうと思ったことがなかったからこの関係は唯一の良心だと考えてる

 中学は真ちゃんと違い少し遠い私立へ、両親が私立の中学に通っていたからという単純な理由から通った
 中学に入ってからは真ちゃんもいなくて物足りなく常に彼氏を作っていた、まあ浮気性な性格により長期間彼氏は出来なかったがいろんなことをした
 そのうちビッチと呼ばれるようになっていた、援助交際をしているという噂も立ったが援助交際もしなければ友達の彼氏とも関係を持たないというのがあたしのポリシーだ
 さらに言うならばもう一つポリシーがあった、それは自分から言い寄らないというものだ、あたしが今までに付き合ってきた男供はみんな向こうから言い寄ってきたものであり、誰でもいいというわけでもなく好みじゃなかったら振るのも当たり前

 高校では真ちゃんと同じクラスにもなり、あいつはあたしのビッチ加減に嫌気が差していたみたいだけどそれでも一緒にいるのはやはり良心、というわけだ
 真ちゃん曰く同じクラスだしビッチが治ってくれるといいな、なんて言っていたがそれは叶わぬ夢だったようで、あたしのビッチ加減は一年経った今でも衰えを知らない、自慢すべきことではないけど

 高二になった現在も彼氏は代わる代わるいるしセックスももちろんしている、でも気持ち良くなくなってきている、相手が下手というのもあるがまったく刺激がないのだ
 そんな時にあの噂を思い出したのだ、松野空介という見た目は可愛いけどすごいテクニックを持ったヤリチンがいるという噂
 そいつはあたしの隣のクラスにいたらしいが当時はそんなに興味がなかったから無視していた、が刺激を欲している今のあたしには好都合だった
 しかも聞けば真ちゃんの友達というではないか、そして真ちゃんに紹介するようセッティングをしてもらい現在に至るわけです
 目の前の松野は猫耳の付いた帽子を深めに被っていて目が半分しか見えないが中々整った顔立ちをしている、しかも背が高い、着崩した制服から覗く鎖骨がえろい

「えっと、マックス、こちら名字名前、俺と幼稚園の頃からの腐れ縁」

 へー、親しい人にはマックスって呼ばせてるのか、まつのくうすけでマックスかなるほど、あたしのビッチセンサーがびんびんに反応している


腐れ縁なんて情報どうでもいいからもっとあたしの良いとこ言ってよね



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