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▼書けてるところだけ6

・天使軍団・悪魔軍団編6


 マグニート山を下山している私たちの前に現れたのは先ほどまで2チームに分かれて戦っていた悪魔と天使たちだった。
 先ほどまでと違うのは人数とユニフォームだろう、悪魔と天使合わせて十一人になっておりユニフォームもオレンジと緑を基調としたものになっている。
 私と手持ち悪魔どもは半ば飽きれたように、円堂くんたちは心底驚いたように彼らを見つめる。

「俺たちが魔王だったんだよ!」

 訳のわからないことをほざき始めた彼らの相手をするのはあまりにも面倒くさい。ただでさえ練習時間が削られているというのに、これ以上無駄な労力を使わせられて堪るか。

 ざわざわと五月蝿くなる周りを無視して私は一人おもむろに目を瞑る。隣にいたヒロトが私の名前を呼ぶ声がしたがそれも無視して口を開く

「アスタロス」
『うん、わかったよ』

 基本的に試合の描写はしていないのだけどこれ以上話をややこしくされるのは本当に面倒くさいのでアスタロスの能力を利用してこいつらを帰すことにした。
 この子達全員が私の言うことに素直に従うよう願いをかけて、それをアスタロスの職能で成就させるのだけの簡単な作業。
 ゆっくりと肺に空気を入れてから同じようにゆっくりと吐き出す。そして目を開けてなる丈全員に聞こえるように声を張る。

「貴方たちいい加減家に帰りなさい!」

 思った以上声が出たのは気にせず、私の願いが成就されダークエンジェルの子たちは素直に踵を返して行った。
 早河さんに惑わされたくないと言った選手たちのためにちょくちょくこの能力を使っていたのだが、この人数を一気に相手にしたのは初めてかもしれない。
 私の言葉に従うダークエンジェルを見た選手たちの中には私を見る目が畏怖の念に塗られている人もいるが無理もない。
 こういった目で見られるのは悪魔使いには付き物なので私はもう諦めているし、いつの間にか慣れてしまった。

 大人数を相手にして少し疲れた様子のアスタロスを抱きしめていつも以上に誉めてあげる。
 嬉しそうに眼を細めるアスタロスの頭を撫でていると一連を見ていた早河さんが怖いと呟く。悪魔使いの先輩としてちょっとだけ先輩風吹いてもいいわよね。

「これが悪魔の力よ。使い方次第で善にも悪にもなる」

 貴女がベリアルの使い方を間違えてしまったら人を殺してしまうことだってあるのよ。彼女にのみ聞こえるよう呟く。
 今まで自分のしてきたことがどんなことだったのかを思い出し、またどんなことが起こり得たのかを想像したのだろう、彼女の唇が震え始めた。
 悪魔を使役するということはそれ相応の人間性を失うということになるのだ。その点で言えば私の兄は人間性のほとんどを失っているとも言える。もちろん良い意味で。
 そう考えたら最初の頃に比べてりん子ちゃんも良い感じに人間性が失われてきてるよね、面白い意味で。

「名前笑ってる」
「今の家族のことを思い出したの、いつかヒロトにも会わせたいわ」
「うん、会ってみたいな」


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