×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

▼西洋ツツジと呼ばないで05

 ※ここからは思いつくまま書き溜めたやつです


 姉さんがマネージャーになってくれたのはうれしいけど姉さん目当てで入部しようとする輩が増えたのは腹が立つ。





 その晩、私はおかしな夢を見た。
 どこか道場のような場所で、雷門と書かれたユニフォームを着た私が小さな男の子を抱いている夢だ。

『許せないよ、でもあそこで私が捨てられていなかったら今の私はいないし、木暮くんとも出会ってなかったと思うから』

 男の子の目からは大粒の涙がこぼれ、嗚咽が漏れはじめたところで目が覚めた。
 音声が妙にはっきりしていて、色彩も鮮やか。まるでどこかで見聞きしたような既視感さえある不思議な夢だった。
 しかし、こんな道場行った覚えもなければ雷門というサッカーチームも、あの男の子のことも知らない。夢の中の私は誰を許せないのだろうか、木暮くんとは一体誰のことなのか。

 結局は夢の話だと割り切って、深くは考えないようにしていた。


〜〜

・修学旅行

 こう言っては失礼だが、サッカー部へのお土産は質よりも量があればいいのでなるべく沢山入っていて値段の安いものを選ぶ。
 北海銘菓の詰め合わせを手に取り内容量と部員数を照らし合わせ、二つ購入することに決める。



 老夫婦が信号のない横断歩道を渡ろうとしていたので、お節介かもしれないけれど手を貸さずにはいられなかった。
 私が手を挙げて老夫婦と共に横断歩道を渡る。

「あらありがとう、優しいのね」
「そんなそんな。困ってる人を助けるのは当たり前です」

 否、それだけではない。この人たちを助けなければ私は後悔すると感じたからこそ私は動いたのだ。
 でも何故そう感じたのかは分からない。私の祖父母に似ている訳でもないようだ。最近の私は何だかおかしい。

「貴女、私たちの孫に似ているわ」
「優しくて、正義感の溢れる子なんだ」
「そうなんですか。何だか嬉しいです」


〜〜

 ふわりと、どこか懐かしいような匂いを思い出した。

「兄ちゃんどうしたんだ? おい!?」

 アツヤの言葉もろくに耳に入らず僕は踵を返していて、次の瞬間には初対面以下の、ただ偶然すれ違っただけの女の子の腕を掴んでいた。

「? えっと……何か?」
「……! あ、いや、知り合いに似てて……ごめんなさい、人違いでした」

 曖昧な笑みを浮かべてその場を取り繕うも、生憎僕には彼女に似た知り合いなどいない。
 赤い髪を両サイドで跳ねさせた彼女はとても綺麗な碧色の瞳をぱちくりさせて微笑んだ。

「そうなの? ふふ、その子に会ってみたい」

 どきり。柔らかく微笑む彼女に僕の胸が高鳴る。
 それと同時にざわざわとした不安が胃の底から這いあがってきた。

 胸のざわつきは収まらない。このまま手を離してしまったら、一生後悔する気がした。

「……ねえ、」
「? まだ何か用?」
「どこ行く予定なの?」
「ファクトリーだけど、それがどうかした?」


「……ファクトリーか。あそこ案外分かりにくいんだよね」
「あー、3つに別れてるし駅からだと迷うかもな」


 名前と離れてはいけない気がした士郎が何とかして彼女を目的地まで案内することに。


「でも何だか不思議な気分、貴方たちと初めて会った気がしないの」

 名前も何だかんだで吹雪兄弟との不思議な縁を感じるがその正体は知らないまま二人と分れる。


<< 戻る >>