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  高尾と


「名前ちゃん名前ちゃん!今日はバレンタインデーだね!」
抑えるつもりのないにやけ顔で、大好きな名前ちゃんの前にしゃがんだ
名前ちゃんはそうだなって言いながら俺の頭を撫でてくる
本当に男らしくて格好いい
「名前ちゃんは何か作った?」
「ああ、マカロン作ったよ」
「流石名前ちゃん!男らしいのに女子力たけぇ!」
女子力も男らしさも兼ね備えてるなんて名前ちゃん本当神だわ
だから俺は名前ちゃんが大好きなんだ
「誰かにあげた?」
「ん?くれた人にあげてる」
「え、じゃあ俺があげてもくれたりするの?」
「お前持ってんのか?」
「あ、いや、俺は、うん、持ってきてないや」
嘘、実は持って来てる
でも名前ちゃんマカロンとか、俺ガトーショコラだし、負けるってか負けた
渡したら心折れる
いや、だからと言ってマカロン欲しいし
「どうした、高尾」
「え、い、いや、何でも!
あ、名前ちゃんマカロン見せてよ!どんなんか知りたい!」
「おお、ちょっと待ってろ」
そう言って机の横に置いてあった大きめな紙袋を机の上に置いた
あの中に俺の…じゃないけどマカロンが
「ほら」
「うぉお!すっげ!店で売ってんのと一緒じゃん!」
「そうか?ちょっと失敗したかなって思うけど」
「いやいや、んなことないって!売ってても違和感ない!」
「いや、それは大袈裟だろ」
苦笑した名前ちゃんにああテンション上がりすぎたと反省した
「あ、どんな感想貰った?」
「ん?なんか皆喜んでくれた
マカロン苦手って子もこれなら食えるって」
「名前ちゃんマジすげえ」
流石だわ、見た目も味も最高ってすげえわ
益々食いたくなってきたけど、ガトーショコラを渡す勇気が出ない
チキンだなって思うけど、本当に無理
って、ガン見してたら態とらしいから視線を逸らして逸らして
「あ、そういや真ちゃんすげえんだぜ
なんか下駄箱にチョコめっちゃ入っててさ
マジ笑ったわ」
「なんだそれ、漫画みたいだな」
「だよねー」
うわぁ、名前ちゃんの笑った顔綺麗だなあ
もうマカロン貰えなくても…良いわけねえか
あんな美味しいそうなの見たら絶対に食いたい
でも話は名前ちゃんのマカロンからどんどん離れていって
ああ、これで今年は終了かな…俺のチキン野郎
「んで、うるさいのだよって言われちゃってさあ」
「へえ……なあ、高尾」
「ん?なに?」
突然話題を止めた名前ちゃんの顔を俺は見詰める
そして頬杖をついて、たった一言
「どうでもいいけど、マカロン食べるか?」
「っ………た、べます」
ああ、名前ちゃんはやっぱり格好いい


高尾とイケメン


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