おもちゃの指輪
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トーマ「なんだこれ?」


マイがキッチンの方へ
飲み物を入れに行っている時
俺は、マイの机の引き出しから
紙が出ているのを見付けた。

直してやろうと思って引き出しを開けると
小さな箱が目に入った。

どこで見たかは思い出せなかったが
その箱は、なぜか見覚えがあった。

中身が気になった俺はマイに
開けていいかという確認をとる事も忘れて
箱を開けてしまった。


トーマ「これって…。」

『あ!だめ!』


俺が箱の中身を見たと同時くらいに
マイが戻ってきて慌ててそう言った。


トーマ「これ、もしかして
俺らが小学生の時の…あの指輪?」


俺が見覚えがあったのは俺とマイが小学生の時
俺がマイに渡した指輪だったからだ。

もちろんお互い小学生だったし
おもちゃの指輪だ。


『トーマ、よく覚えてるね…
恥ずかしい…。』

トーマ「いや…俺もなかなか恥ずかしいよ…。」

『え?どうして?』


だって確かその時の俺
「結婚しようね」とか言ってた気がするから。


トーマ「いや、なんでもない。」


でも、口に出すのは恥ずかしいから
自分の心の中にしまう。


おもちゃの指輪


トーマ「でも、なんでこんなとこにあるの?」

『トーマと結婚出来ますように…って願いを込めて
ずっと机の中に入れてたの。
えへへ、叶っちゃった。』

トーマ「え?!
マイ、あの時の言葉覚えてんの?!」

『結婚しようね、って言うの?』

トーマ「なんだ…覚えてたのか…。」

『だって、嬉しかったから!』





(お題提供元「ACHE」)


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