俺の体温でお前を包み込む
bookmark


『もうすぐだね。』

トーマ「うん。」


そう言って俺らは時計に目をやる。

時計の針は11:59を過ぎたところだった。


『…あ、ほら!あと五秒!
…三、二、一…!
トーマ、お誕生日おめでとう!』


時計の針が12:00を指したと同時に
マイは俺に向かってクラッカーを鳴らした。


トーマ「ありがと。」


俺はマイをぎゅっと抱きしめた。


『ふふっ、こうやって
一番におめでとうって言えるの嬉しいな。』

トーマ「ああ、そう言えば昔
シンとマイは毎回競争してたよな。」

『そう!シンってば
いつも走ってトーマの家に先に行くんだよ?
昔からずっとシンの方が足が速くて
負けてばっかりだったなぁ。』

トーマ「シンは手加減とかしないからね。」


頬を膨らませながら
マイは『酷いよねー』と言う。


『トーマ。』


俺の名前を呼ぶと俺の方に顔を向けたマイ。


トーマ「ん?何?」


抱きしめていた腕を緩め、向き合う。


『生まれてきてくれてありがとう。
トーマ、大好きだよ。』


トーマ「あのさ…
ありがちかもしれないんだけど…
プレゼントにマイくれない?」

『えっ、そ、それってつまり…。』


口をもごもごする。

それすらも俺の理性を壊そうとする。


俺の体温でお前を包み込む


トーマ「嫌?」

『嫌じゃないけど…その、恥ずかしい…。』

トーマ「…ああ、もう限界。
誕生日プレゼント、貰っちゃうね?」

『え、やっ…!』





(お題提供元「Rosy note」)





   トーマ、誕生日おめでとう!
   遅れてごめんなさい。


prev|next

[戻る]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -