去年までとは違う
bookmark


トーマ「マイ?」

『あ、トーマ!
えへへー、いらっしゃいっ。』


俺がマイの家に行くと
上機嫌なマイが出迎えてくれた。


トーマ「マイ、今日は嬉しそうだね。
いい事でもあった?」

『えへー、わかる?
あのね、トーマこれ見て!』


そう言って
小走りでキッチンまで行ったマイは
冷蔵庫から黄色い箱を机の上に置いた。


トーマ「何?開けていいの?」

『うん!』


箱を開けると中にはケーキが入っていた。


『ケーキ、上手く焼けたの!』


その言葉を聞いて、俺は思い出した。

マイは一週間前に
ケーキを焼こうとしたど
失敗したみたいですごく落ち込んでた。

その事があったから
今こんなにも嬉しそうなんだろう。


トーマ「マイの作ったケーキ
おいしそうだな。」

『トーマのために作ったの。』

トーマ「俺のため?嬉しいよ。」


そう言って俺はマイの頭を
くしゃくしゃと撫でた。


『チョコレートケーキなんだよ?』


上目づかいでそう言うマイ。


トーマ「あ、もしかしてバレンタインだから?」

『うん。
あ、でも去年までとは違うからね?』


去年までとは違う


もちろん俺は
その言葉の意味を聞かなくてもわかってる。


トーマ「そう言えばなんで箱、黄色なの?」

『だってトーマ、黄色が好きでしょ?
…どうしてトーマ、にやけてるの?』

トーマ「マイのせいでしょうが…。」



   ⇒バレンタイン企画第三弾:トーマ


prev|next

[戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -