髪を切った理由
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『おはよう。』


今日はトーマと一緒に
バイトに行く約束をしていた。

トーマは昔から時間にしっかりしていて
今日も、時間ぴったりに
私の家まで迎えに来てくれた。


トーマ「マイ、髪切ったの?」

『え、わかる?』


昨日夕方に
私は美容室に行って髪を切ってきた。

昨日の朝に鏡を見て
髪が伸びてきている
と感じたのが、きっかけだった。


トーマ「当たり前だろ。
毎日見てるんだからわかるよ。」

『そっか…!』


でも切る前の髪が
すごく長かったわけではないので
切った髪は5pほどだった。

なので切った直後は、他の人なら
言わなきゃわからないかなと思っていた。


トーマに気づいてもらえた。

それだけなのに、嬉しかった。


トーマ「これ、聞いていいのか
わからないんだけど…。」


少し声を小さくしてそう言うトーマ。


『どうしたの?』

トーマ「ああ、その…失恋?」

『え…?』


全くそんな気が無かった私は
驚いてしまった。


トーマ「ま、まあ気にするなよ。
マイならきっといい人見つかるって。」


きっとトーマはフォローのつもりで
言ったのだろう。


髪を切った理由


私が好きなのはトーマなんだから
失恋なんかしてないよ。

そう言えたらいいのに。


トーマ「俺に頼っていいからな。
幼なじみなんだし。」

『ありがとう。』


幼なじみってこんなに近いのに
こんなに遠い。


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