偽物の恋心
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イッキ「じゃあまたね。」


そう言って僕は
ファンクラブの子たちに手を振る。

いつものように「一緒に帰ろう」と
言われたから、OKした。


ファンクラブの子たちと別れて
家に帰ろうと自分の家の方へ
方向転換をする。

すると
見覚えのある後ろ姿を見つけたので
話しかけに行った。


イッキ「あ、マイじゃない。
今、帰り?」

『はい。』

イッキ「一緒に帰る?」


目を見つめながら僕は言う。


『いえ、いいです。』


しかしマイは
そっけなくそう答える。


イッキ「おかしいな。
他の子には目が効くのに
どうしてマイには効かないんだろう。」


効いてほしいのに。

僕は心の中で呟く。


『私はそんな魔法のようなものには
かかりません。
自分の好きな人は自分で決めます。』


はっきりとそう言う。


確かに僕の目は魔法のようだ。

僕の目を見ている時は
みんな僕を好きになるけど
そうじゃない時は僕を好きにはならない。


そう、マイの言っている事は
もっともだ。

だからこそ、胸が痛む。


偽物の恋心


ちょうど、そんな感じ。


イッキ「自分の好きな人は
自分で決める…か…。」


それは当たり前のことのはずなのに。


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