幼なじみとしての好き
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『ねぇ、シン
一緒に動物園行こうよ!』


隣の駅にある動物園に
新しいパンダが来たんだよ、なんて
目を輝かせながら言うマイ。


動物園のパンダって人気だけど
そんなに魅力的な何かがあるのか?

俺はいまいちわからないが
少なくてもマイにとっては
魅力的みたいだ。


とか考えていると
一つの疑問がうまれた。


シン「行くって俺とマイ?」

『うん。』

シン「二人?」

『そうだよ。』


何か問題ある?と言うような顔で
俺を見てくる。


俺とマイは
付き合ってるわけではないが仲がいい。

いわゆる幼なじみ。

小さいころからずっと一緒で
マイが大学生になっても
こうして会ったりしている。

まあ、バイトが一緒
って言う事もあるけど。


しかしこうやって
二人でどこかに出かけるってことは
ここ最近なかった。


シン「トーマは?」


二人はなかったが、もう一人の幼なじみ
トーマと三人というのは何度かあった。


『大学の講義で
どうしても外せないんだって。』

シン「それなら
別の日にすればいいだろ。」

『でも、次とその次の週末は
私の予定が空いてなくて…。』

シン「その先でいいだろ?」

『だめ、今行きたいの!』


そう言えばマイって
やけに頑固なところがあったっけ。

こうなったら
丸一日かけて説得するくらいしないと
言う事を聞いてくれないんだよな。


俺はマイと
出かけたくないわけじゃない。


俺は…もう、マイの事を
ただの幼なじみと思っていなかった。

理由は…それだけ。


幼なじみとしての好き


いつからだろう。

マイに対して
そう思わなくなったのは。


『お願い!
シンにしか頼めないの!』


そんな事言われたら
断れないんだけど。


シン「はぁ…ほんとむかつく。」


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