ジョーカーの正体
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記憶探しの旅をしている僕とマイ。

マイ記憶を探して
いろんな人と話したり
近くを歩いて回ったりしていると
ある日、僕は気づいてしまった。


オリオン「トランプなのかなぁ?」

『?』

オリオン「マークだよ。
マイと割と仲がいい男たちの。」

『マーク…?』

オリオン「ほら、トーマって
ダイヤの服着てたでしょ?
それでイッキは、スペードの
ヘアアクセサリーとか付けてるし。」

『そう言えば、そうだね。
目の下にもスペードのシール…なのかな?
付いてたね。』

オリオン「うん。
で、ケントはクローバーの服とベルト。
シンは…、マーク付けてた?」

『どうだったっけ?
マーク、なかった気がする…。
でも赤いからハートっぽいかも。』

オリオン「そうだよ、きっと!」


やっぱりトランプだったんだ、って
僕は心の中で納得した。


『じゃあウキョウさんは?』

オリオン「え?」

『ウキョウさんも私と
仲がいいと思うんだけど…。』

オリオン「あ…。」


完全に忘れてたよ、ウキョウのこと。


オリオン「ウキョウって
なにかマーク付いてたっけ?
いや、でも、もし付いてたとしても
他にマークないよね?」

『もしかして
ウキョウさんがハートなのかな?』

オリオン「うーん、けどさ、イメージも色も
ハートって感じはしないよね?」

『確かに、そうだね。』


なんとなくモヤモヤするなぁ…。


…そして後日。


ずっとモヤモヤしていた僕は
ウキョウと出会った時、マイに
直接聞いてもらった。


『ウキョウさんのマークは何ですか?』

ウキョウ「マーク?何の話?」

オリオン「そんな直球?!」

『(え、ダメ、だった?)』

オリオン「ウキョウ困ってるよ。
もう少し違う言い方で…。」

『(わ、わかった!)
あの、マークっていうか…。
ウキョウさんのモチーフというか…。
好きな形というか…。』

ウキョウ「うーん、なんだろうね?
ああ、月、かな?」


ジョーカーの正体


オリオン「月かー。
やっぱりトランプのマークっていうのは
たまたまだったのかも。」


僕らが「ジョーカー」だと知るのは
もう少し後のことだった。





(お題提供元「operetta」)


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