アリスとうさぎさん
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シン「マイ自身はどうしたいわけ?」


私に問いかけるシン。


『どうしたらいいと思う?』

シン「それくらい自分で考えろよ
ほんと、馬鹿。」


ことの始まりは三日前。


私は大学での先輩に告白をされた。

バンドで見て、一目惚れだと言われた。


告白してきた人は名前すら知らない人。


もちろん断った。

名前も何も知らない人だったし
なにより、私にはシンがいる。

しかしそのあともずっとしつこくて。

仲良くない人
さらに先輩ということで
あまり強くも言えない。

前にもこういう事はあった。

でも以前までは大学も同じだった
幼馴染のトーマが近くにいたから
なんとかなった。

でも今は…。


その事をシンに相談した。


『私、バンドで
目立たない方がいいのかな…。』

シン「はぁ…。
お前って馬鹿だよ、本当に馬鹿。」

『そんなに言わなくても…。』

シン「だって馬鹿だろ。
…マイはそれでいいのかよ。
何も悪い事してないのに
マイの方が我慢するようなことして。」

『…。』

シン「そいつが他人だろうが先輩だろうが
そんなの気にすんなよ。
もしそれで何か問題になるんだったら
その時は俺が何とかしてやる。
それか、今までトーマがしてきた事を
俺がしてやってもいい。」


シンは勢いよくそう言い切った。


シンはいつもそうだね。

私が記憶を失う前
私が記憶を失った時
そして今。

言い方は少しきついけど
それでも私の事をしっかり考えててくれて。

私が迷った時や
道を間違いそうになった時は
正しい方へ導いてくれる。


アリスとうさぎさん


でも、出来れば
お姫様と王子様がよかったな、って。


『シンのおかげでちゃんと言えそう。
ありがとう。』

シン「うん。」





(お題提供元「アジサイランブ」)


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