曇った空が青空に変わる
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シン「遅い。」

『そんなに怒らなくても…。』

シン「服着替えるだけで
何分使ってるわけ?」

『ごめんね…?』

シン「…いいよ、じゃあ行くぞ。」


今日は私とシンの
バイトが終わる時間が同じだったので
一緒に帰る事になった。


シンの隣を歩く。


シン「まだ時間あるよな。
マイの家寄らせろよ。」

『ん?いいよ。』

シン「…。」


急に無言になるシン。


『どうしたの?』

シン「いや、別に何でもない。」


何だろ?

まあ、シンが何でもないって言ってるし
気にしなくていいのかな?


そのあとは、他愛もない話をして
私の家に着いた。


『はい、上がって上がって。』

シン「おじゃましまーす。」


私はシンと家に入る。


『あ、座っててー。』

シン「あのさ
マイってなんとも思わないわけ?」

『え?何の話?』


私がそう聞き返すと
シンは私との距離を詰めるように
近づいてきた。


『…え、シン…?』

シン「やっぱ俺って、マイに
男扱いされてないわけ?
家に行きたいって言っても
何のためらいもなく受け入れるし。」


そう言いながらシンは
さらに距離を詰めてきて…。

私とシンの距離は五センチもなくなった。


シン「こうやって攻めると
顔真っ赤にするのにさ。」


いじわるそうにクスッと笑うシン。


シン「マイは俺の事、ちゃんと
彼氏として見てくれてるの?
俺の事、本当に好き?」


笑ったかと思うと
今度は少し切なそうに言う。


…シンはたまにそう言う。

男扱いしろ、とか
意識してろ、とか。

そして彼氏として好きなのか、とか。


『私はシンの事、信用してるの。』

シン「信用?」

『シンは私の嫌がる事絶対にしない。
今だって近づくだけで
これ以上は何もしないじゃない。』

シン「…。」

『私、シンの事
ちゃんと彼氏として好きだよ。
幼なじみの時とは違ってドキドキしてる。
他の人にはこんな気持ちにならないよ。』

シン「…そっか。」


シンはやわらかく笑った。


シン「俺もマイのこと
彼女として好きだから。」


曇った空が青空に変わる


『そ、それに…私、シンと
イチャイチャするのも好き…って言うか…。』

シン「は?!」

『え、あ、えっと、あの!
やっぱり今の、忘れて!お願い!』


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