解けかけた三つ編み
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『トーマ、いらっしゃい!』


俺がインターホンをならすと
マイは五秒もかかってないんじゃないか
というくらいの速さで、ドアを開けた。

マイは急いで来たようで
少し息切れしている。

「息切れなんかして
そんなにも早く俺に会いたかったのか」なんて
自惚れるよ。

もちろん口には出さないけど。


トーマ「急いでくれるのはいいけど
転ぶなよ。」

『大丈夫だよ!』


いや、そんなに胸を張られても。


『とりあえず入って入って。』


俺を手招きするマイ。

それにつられるように玄関に入る俺。


トーマ「おじゃまします。」

『どうぞどうぞ。』


そういいながらマイは
くるりと真後ろに方向転換した。


トーマ「あれ、髪の毛。」

『何?』


俺はマイの髪の毛に目が行った。


トーマ「三つ編みほどけそうだぞ。」

『え、あ、ほんとだ。
トーマが来るから急いで用意したからかな?』


リビングに入り、お互い適当な場所に
ストンと床に座る。

三つ編みを全部ほどくマイに向かって
俺は言う。


トーマ「かして、俺が編んであげる。」


マイの髪に触れると
ふんわりとバラのにおいがした。


解けかけた三つ編み


『トーマ、お母さんみたい。』

トーマ「それ、褒めてる?」





(お題配布元「原生地」)


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