これも全部君のため
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『楽しみだなぁ。』


ソファに座ったマイが
俺の方を向いてそう言った。


今日は俺がマイのために
夕飯を作ってやっている。

昨日「明日俺の家に夕飯食いに来るか?」と
メールを送ったところ
1分も経たないうちに『行きたい』と返信が来た。


トーマ「もうすぐできるからな。」

『はーい。』


実は、マイは俺の家に来てすぐ
『私も手伝おうか?』と言ってきたけど
大丈夫だ、と言ってソファに座ってもらっている。


どうしてマイに手伝ってもらわないかには
俺なりの理由がある。


3日前俺とマイは一緒に料理を作っていた。

その時にマイは包丁で指を切ってしまった。

軽く切って、少し血が出ていたくらいだが
マイがけがをした事には変わりない。

マイは『家でもたまに切るから大丈夫だよ』とか
『トーマのせいじゃない』なんて言っていた。

でも隣に俺がいながらけがをさせてしまった。

その事実は変えられない。


その事があってから、少なくても俺と一緒の時は
マイには料理をさせない事にした。

というか、料理だけじゃなく
危険になりそうな事は出来るだけさせないと
俺は決めた。


シンに言うと「過保護だ」と言うかもしれないが
そんなことは関係ない。

マイが傷つかないなら
過保護でもなんでもいい。


これも全部君のため


トーマ「マイ、飯できたぞ。」

『あ、じゃあ運ぶね。』

トーマ「あ、いいから、座ってて。」


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