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お好み焼きを食べ終わると、私達は大阪の観光名所を案内してもらっていた。観光を楽しみながら私はずっと狙っていた。コナン君が服部君から離れる時を。そしてコナン君が蘭ちゃんに呼ばれた隙に、すぐさま服部君の横へと並んだ。

「ねぇ服部君」
「何やねんアホ」
「アホじゃないです。ちょっと聞きたいことがあって」
「手短に頼むで。俺かて暇やないねん」
「今暇でしょ。まぁいいや。コナン君と新一君ってさ、同一人物……だよね」

彼の眉がピクリと動いた。この反応は図星なのか、それとも私が急に意味不明な事を言いだしたからなのか。

「んなわけあるかアホ! どう見てもサイズがちゃうやろ」
「いてっ」

頭を叩かれた。後者だったのだろうか。私の推理はまだまだだったか。彼は嘘をつけない性格だとにらんで聞いてみたが、話してはくれないみたいだ。

「ええかぁ。変に探るんちゃうぞ?」
「……」

考え込んでいると、服部君に頬を引っ張られた。彼は加減というものを知らないのか。頭といい頬といいさっきから痛すぎる。

「分かったか?」
「いひゃい」
「ハイやハイ」
「ふぁい」

少し前を歩いていた蘭ちゃんと和葉ちゃんに呼ばれ、走って向かうと見えたのは通天閣だった。

「あれが通天閣、それであっちのがあべのハルカスや」

蘭ちゃんと二人で感激の声を上げた。どっちに行きたいか聞かれハルカスと答えると、展望台へ登る事になった。

本日は晴天。上から見える大阪の景色が綺麗だった。景色に夢中になっていると、皆が近くにいないことに気づいた。周りを見渡しながら歩けば服部君の後ろ姿が見えた。

「服部く……」

声をかけようとしたが彼は真剣な様子で下を向いて誰かと話していた。彼から見えない様に柱に隠れ、様子を伺うと話していた相手はコナン君だった。何となく会話の内容が気になり、耳を傾けた。

「工藤、あの永愛っちゅーねーちゃん。お前の正体疑っとったで」
「やっぱりか。そんな感じはしてたんだよ。やけに鎌をかけてくるっつーか」
「アホそうに見えて鋭いんやな」
「あぁ。だがアイツも危険に巻き込む訳にはいかねぇ。蘭と同じ様に誤魔化すしかねぇかな」
「プププッ。秘密を持ったモテる男はつらいでんなぁ」
「バーロー。アイツはそういうんじゃねーよ。アイツはーー」

なるほど。やっぱり私の推理は正しかったのか。何故、どうやって身体が縮んだのかが疑問である。だけど新一君イコールコナン君というのがバレると、何かの危険に巻き込まれるらしい。危険というのもどこまで危険なのかも分からない。今は、知らないふりをしていた方が良いかもしれない。


********************

「また遊びに来てな! ユニバとか海遊館とか一緒に行きたいところいっぱいあんでー」
「ありがとう。和葉ちゃんもまたこっちにおいでね」
「お元気で……」
「あのなぁ永愛ちゃん。会おう思えばいつでも会えるんやから」
「うん。また遊んで下さい」

もうお別れかぁ。一日早かったなぁ。新幹線の前で和葉ちゃんに手を振る。コナン君と服部君は仲がよろしい事で、また二人で話し込んでいた。蘭ちゃんがコナン君を呼ぶと、服部君も此方に向かって歩いて来た。ジッと見ていれば彼と目があった。

「永愛チャンはお別れが寂しいんか?」
「うん。和葉ちゃんとのね」
「俺はどこ行ったんや?」
「うーん。じゃあ寂しいかな」
「そうかそうかー。また会いに行ったるさかいなー」

ワシャワシャと髪を撫で回し、皮肉たっぷりに言われた。この人私が知ってる中で一番意地悪だ。新幹線の発車メロディが聞こえ三人で急いで新幹線に乗る。動く新幹線の中からホームを見ると、和葉ちゃんは笑顔で手を振ってくれていた。隣にいる服部君は両手をポケットに入れ微笑んでいる様に見えた。二人の姿が見えなくなり、席を探してキョロキョロとしていると席に座った蘭ちゃんに呼ばれる。

「ちょっとお手洗いに行ってくるから、コナン君のこと見てて」
「はーい」

横に座るコナン君を見て言うと、呆れた表情を一瞬した後にあざとい笑顔を作った。

「僕どこにも行かないのにね」
「蘭ちゃんに言われたし、どこにも行かないようにお膝に乗せてようかな」
「い、良いよ! 僕もう小学生だよ」
「まだ小学生だよ! ほらお膝においで」
「わー! や、やめてよ! 永愛姉ちゃん」

ワタワタと慌てる姿にニヤつきを抑えながら、コナン君を膝の上に乗せる。後ろからぎゅっと抱き締めると暴れていた体はおさまり、顔を横から覗き込むと彼の顔は真っ赤になっていた。高校生が女の膝に乗せられるなんて恥ずかしいもんね。

「ふふふっ」
「……永愛姉ちゃんって意地悪だよね」
「そんな事ないよ」

暫くはコナン君もとい新一君の反応を楽しむ事にしよう。

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