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 ここ最近世間を騒がしているニュースを博士の家で、コナン君と一緒に見ていた。

「このニュース、要するにアメリカのFBI長官が情報交換するために警視庁本部に来る予定だけど、来たら警視庁爆発しますよって誰かが予告しているって事だよね」
「まぁ簡単に言えばな」
「コナン君は何かするの?」
「犯人の目的を知りてぇとは思うけど、関わることはねぇだろな」
「そっかぁ」





 そんな会話をした翌日。

「関わらないって言ってなかったっけ?」
「まさかおっちゃんに調査協力が来るとは思わねぇだろ」

 警察から協力要請を受けた毛利さん。そこについてきていたコナン君。そしてお出かけ中に偶然出会ってしまった私。

 毛利さんと一緒にコナン君も警視庁本部に入っていこうとするんだから驚いた。コナン君は上の誰かのご指名で一緒に来ているらしい。この子に目をつけている人凄いや。

 がんばれ小さな名探偵、と心の中で応援しながらその場を離れようとしたら、突然コナン君が「伏せろ!」と大声を出した。

 突然の事で私は咄嗟に伏せることができなかった。警視庁の入り口で爆発している様子がスローモーションで見えて、ガラスの破片が飛んでくるのを避けれず、体の至る所から痛みが走る。

「永愛!!」

 飛んできたガラスの破片で瞼の上を切ったらしい。切れた所が熱くて血が出ているのが分かり、ポケットに入っていたハンカチでおさえた。

 コナン君がこちらに駆け寄ってきてくれて、私に屈むように言う。

「出血がひでぇな。どこを切った」
「瞼の上……」

「怪我人は!? 医務室に案内するわ」

 出てきた警察官の中に佐藤刑事がいて、私の顔を見るなり彼女は酷く驚いていた。


 医務室に行くと爆発に巻き込まれた人達が治療を受けていた。私も先生に手当てをしてもらう。眼帯で左目を覆われたから、左側が見にくくなったけど仕方がない。コナン君や毛利さんも腕や足を軽く負傷していた。

「これで分かっただろう。警視庁本部にいるのは危険だ。FBIと情報交換の件は中止。引き返してもらおう」

 警察の誰かがそう言った。しかしFBIは引き下がらない。双方の言い合いが聞こえる中、コナン君の姿を探したが見当たらない。事件の匂いを嗅ぎつけて何処かに行ってしまったのかもしれない。

 危険だから此処から出ないでと警察の人から言われているため大人しく待機しているが、怖い顔をした人達に囲まれて休めそうにない。コナン君を探すついでに人気のない所で身体を休めよう。


 静かな場所に向かうと曲がり角で誰かとぶつかってしまった。左側が見えないので反応が遅れたが、その人はよく知る人物で。

「大丈夫か?」
「えっ、あ、赤井さん。どうしてここに」
「目の怪我はどうした」
「爆発で飛んできたガラスの破片で瞼切っちゃって」
「失明は?」
「してないです」

 何故ここにいるのか聞かれて偶然居合わせたのだと答えると、やれやれと溜息を吐かれた。また面倒事に巻き込まれていると思っているんだろうな。
 すると突然、後ろから誰かの走る音が聞こえた。

「赤井!!」
「安室さん?」

 此方へ走ってきた安室さんは赤井さんに殴りかかり、それを赤井さんは手で受け止める。
 どうしよう、更に面倒なことに巻き込まれそうな予感がする。

「この件から手を引け。我々公安の仕事だ」
「護衛はFBIに任されている」
「黙れ、FBI!」
「狩るべき相手を見誤るなよ。そもそも君が公安だということを知っているのか?」
「誰の話だ!」
「ここにいる彼女の話だが」
「永愛さん!? 何故ここに……」

 安室さんの動きが止まった。目を見開いた彼と目が合い、気まずくなって目を逸らす。私の存在は見えてなかったのだろうか。おかしいな、赤井さんに会うと彼は周りが見えなくなるほど殺気立ってしまうのだろうか。

「お前のせいだ赤井!!」
「君が周りを見ていないからだろう」

 興奮気味の安室さんと冷静な赤井さん。二人のやり取りが面白くて思わず吹き出してしまった。笑いだしたら止まらなくなってしまって、お腹が痛くなるほど笑ってしまう。

「永愛さん……?」
「ごめんなさい、おかしくて。安室さんって赤井さんの前ではこんな感じになるんですね」
「……」
「今は戦っている時間はない」
「あっ、私何も聞いてません。……ってことじゃダメですかね?」

 安室さんはまさか墓穴を掘るとは、と呟きながら頭を抱えていた。こんな彼は初めて見た。安室さんはふー、と一息ついてから冷静な落ち着いた表情になる。この顔は安室さんではない、と何故かそう思った。

「永愛さんの怪我は先程の爆発に巻き込まれたものですよね? 公安で保護しますので此方へ」
「いや彼女はFBIで保護する。公安は犯人探しで忙しいだろう」

 安室さんが私の右手を引っ張ると、逆の手を赤井さんが引っ張り、両側から腕を引っ張られる。なにこの状況。二人のことは大人だと思っていたけど違ったらしい。

「そういえばコナン君が見当たらないんです。きっと事件の匂いがする方へ向かったのかと……」

 そう言うと二人は私から手を離し、コナン君を探すと言って別々の方向へ歩き出した。安室さんは「あとで話があります」と私に言い残して。


 わぁ、コナン君ったら人気者ー。

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