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お風呂上りにはやっぱりこれだな、と牛乳を一気飲みした。
露天風呂で女子トークが盛り上がり、あっという間に時間が経ってしまった。

「気持ちよかったねー」
「露天風呂からの景色が絶景だったわね」
「めっちゃ喋ってしもたわ」
「次は何する? どこ行こっか!」

私たち四人は温泉にとても満足していて、随分待たせてしまったであろうコナン君と服部君を探した。しかし館内を探し回っても中々見つからなかった。

「もー! 平次らどこ行ったん!?」
「おかしいわね、ここの旅館広いとは言え、全部回っているはずなのに」
「先に外に出たんじゃない? 眼鏡のガキンチョってよくどっか行ってるし」

そういえば旅館の外が騒がしいのは気のせいだろうか。外を見てくると声をかけて旅館の外に出ると、警察がいて驚いた。何か事件があったのだろうか、と思った瞬間ハッとした。コナン君と服部君は間違いなくこの事件に首を突っ込んでいると。

人ごみをかき分けて規制線の向こう側にいる二人を見つけた。様子を見ているとどうやら事件は解決したようで、リスが肩に乗っている刑事さんと話しているところだった。そして旅館の方へ戻ってくる二人に声をかけた。

「何か事件? 解決した?」
「あぁ、解決したぜ」
「今回は引き分けやな」
「あの人、肩にリス乗ってて可愛い。お茶目な刑事さんだね」
「あの人は京都府警の綾小路警部だよ」
「ちなみにごっつ変人やで」
「変人警部さんだったか。……あ、みんな中で待ってるよ!」

まさか私達がゆっくり温泉に入っている間に事件が起こって、二人が解決していたなんて驚きだ。旅館に戻り、蘭ちゃん達と合流し説明をした。


次は竹林を見に、人力車を乗ることになった。二人乗りだったのでまたペアを作るが。

「……デジャヴ」
「はよ乗れ」
「どうして服部君なの。和葉ちゃんと乗れば良いじゃん」
「こっちかて好んでお前選んだわけちゃうわ」

私のペアは服部君だった。蘭ちゃんと和葉ちゃん、コナン君と園子ちゃんのペアに分かれて人力車に乗る。今日は服部君とご一緒することが多い日なのかもしれない。
人力車に乗ると常に肩が触れ合う距離で、彼の体温を感じドキリとしてしまうが彼は何も気にしていないようだった。車夫のお兄さんから進みますね、と声が掛かり人力車が走り出す。
渡月橋を渡り竹林が立ち並ぶ道を進む。長い竹が影になって風が心地良い。

「トンネルみたいやな」
「ほんとだね。涼しい」

二人で上を見上げながら話す。まるで何も考えなくても良いと言うかのように竹がさらさらと音を立てる。

「……さっきは悪かったな」
「え? ううん、そもそも私の体力がなかっただけだし」
「そうやな」
「えっ」

服部君二人の時は静かだな、なんて思っていたら瞼が急に重くなって目を閉じた。


********************


突然ガタンと身体が揺れ、目を覚ました。周りを見渡すと竹林の景色から京都の街並みに変わっていた。温泉に入って身体が温まっていたから眠気が一気にきて寝てしまった。
そういえば、隣の人にもたれて寝てしまった気がする。

「ごめん! 服部君、肩借りてたよね」
「めっちゃ凝ったから後で肩揉めよ」
「えー」

そんな会話を交わしながら、テレビで見た景色と同じ景色に感動しながら京都の街並みを楽しんで、人力車の終了時間になった。

「楽しかったね」
「まぁな」
「肩揉みしようか?」
「いらんわ、冗談や冗談!」

遠慮しなくて良いんだよーと服部君の方に手をかけようとしたら、手を叩かれた。悲しい。
下を向いていると人力車から降りたコナン君がこちらに駆け寄ってきた。そんな駆け寄ってくる姿が可愛いななんて思っていたのに、コナン君の顔はムッとしていた。

「オメー、服部と仲悪いと思ったら仲良くねぇか?」
「え、そうかなぁ」
「人力車乗ってるとき、服部の肩に頭乗せてただろ」
「?……あー! 途中で寝ちゃって」
「ぶぶっ、嫉妬かいな工藤」
「バーロー、違うに決まってんだろ」
「ごめんね、服部君の隣座っちゃって」

そういうと二人は冷めた目で見てきて怖くなった。変なこと言ってしまっただろうか。ボートの時みたいに二人で沢山話したかったのかと思ったんだけど。

「それよりコナン君、ボートの時はごめんね、手を引っ張ってくれたんだよね」
「まぁな、俺も一緒に落こっちまったけど。こんな体じゃなきゃ」
「ありがと」
「……おう」

蘭ちゃん達と合流して、引き続き京都旅行を楽しんだ。
快斗と青子にお土産買って帰ろっと。京都のお土産、喜んでくれるだろうなぁ。

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