×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

「ボクも隅々までチェックするよ」
「ちょちょっ、待って……!」

真純ちゃん何か楽しんでるんだけどー!? 私の脇腹や腕、腰辺りを撫でる様に触れてくる。くすぐったくて声を出さずにはいられなかった。

「ふふっ、あはは……っ! くす、擽ったい……!」
「ここなんてどうだ?」
「やっやめて……っ! あはは!」

やめてと言っても彼女は容赦無く体を擽ってくる。何でこんなに私が弱いところばかり分かるの!? やっぱり探偵だから?

「あんた達何してんのよ」

立てなくなって膝から崩れ落ちた瞬間、園子ちゃんが声をかけてくれてやっと私のボディチェックは終わった。いやボディチェックではなかった気がする。

「こっちもチェック終了ー! 宝石も亀もなかったわよ」

と、園子ちゃんが青子のお父さんに報告した。出てこなかったってことはもうこの場にはキッドはいないって事なのかな。

「ボク達は終わったけど、二人のチェックはちゃんと終わったのか?」
「大丈夫。蘭は見れば本物かどうかわかるから。だよね?」
「え、う、うん」
「じゃあやっぱりキッドはもう逃げちゃってるかもしれないな」
「うん。私もそう思う」

蘭ちゃんと園子ちゃんは二人で内緒話をしているのか小声で話していたが、園子ちゃんの蘭ちゃんに対する口調がいつもと違っていたので、耳を大きくして聞くと蘭ちゃんがキッドではないかと疑っている様だった、

確かに蘭ちゃんはカーペットがめくり上がった時に巻き込まれず、私達から離れた場所にいた。でも必死に否定している彼女を見て、キッドではない気がした。


「えぇい、撤収じゃ。撤収!!」

園子ちゃんのおじさんが叫び、警察の人達と話していた。宝石のついた亀は一体何処に、どうやって持ち出したんだろう。コナン君は分かったのかな、と思い彼を見るとちょうど毛利さんに麻酔銃を向けているところだった。眠りの小五郎がまた見れるのかと思いきや、蘭ちゃんが「帰るよ」とコナン君を持ち上げたので、麻酔銃の針は園子ちゃんに刺さってしまった。

「ふみゃ」
「えっ、ちょっ!? ええっ!?」

園子ちゃんは水槽に背中を預けて寝てしまった。蘭ちゃんとコナン君が心配して彼女に駆け寄る。しかしコナン君をよく見ると、蝶ネクタイをカチャカチャと触っていたので今回は眠りの園子ちゃんでいくのか、と納得した。

園子ちゃんの声を出し、コナン君は亀がいなくなった謎を解いていく。亀を持っている人物は園子ちゃんのおじさんだと言う。しかしおじさんはキッドではなく宝石は偽物、そしてキッドはもうここには居ないと推理していた。




********************


園子ちゃんの目が覚め、警察の人達も解散した。色々あったけど今回は宝石を盗んでないみたいだし良かった。

「でも凄いよ園子! 久々の推理クイーンだったね!」
「ま、まーね」
「ちょっと待ってて、お手洗い行ってくるね」
「トイレなら私も」

「でもさー、さっきの推理不十分だと思わないか?」

二人がお手洗いに行くと真純ちゃんは先程の推理の疑問点について話し出し、コナン君が答える。先程の推理もよく分かってないから、私は窓の外を眺めながら歩いていた。

「ーーでもあの時蘭ちゃんのそばにいたのは……」
「ボクとー、園子姉ちゃんとー、永愛姉ちゃんとー、オメーだよ怪盗キッド」
「はっ!?」

今コナン君、真純ちゃんのことキッドだと言った!? バッと顔を向けると否定もせず口角を上げていたのでコナン君が言ったことは正しいのかと納得する。

「どこで俺の正体に気づいたんだ?」

コナン君は先程話していた磁石の時と、そしてボディチェックの時だと答えた。

「ボディチェックを蘭達に誘われて驚いていたのも、自分が蘭達より年上だと思ったのも……。世良が一学年上の男だと思ったからだろ? それにお気に入りの永愛のボディチェックがしたかったみたいだし?」
「そ、それは……。ってまさかこいつ……女の子だったのかよ!?」
「あぁ。まぁこの前のベルツリー急行の時に世話になったし、今回は何も盗んでねーから見逃してやるよ。俺はね」
「ん? オレは……って!!」

こちらへ向かってくる足音が凄い速さで近づいて来る。私が振り向くのと、真純ちゃんの蹴りがキッドの頬に入るのは、ほぼ同時だった。

「テンメェ……よくもボクにスタンガンを……」

吹っ飛んで行ったキッドを見て流石真純ちゃん、と心の中で拍手した。しかし彼女の格好は、下着姿。ここまで恥じらいがないとどうして良いのか分からなくなる。とりあえずキッドに服を返してもらわないと。

「世良さーん! 下着下着!」
「丸見えよん」

蘭ちゃんと園子ちゃんがタオルを持って駆けつけた。皆の気が逸れるとキッドは変装を解き、窓からハンググライダーで飛び去った。

「……通りで」
「永愛姉ちゃん、何か言った?」
「ううん」

弱いところばかり擽られた自分の脇腹と、覚えのあった彼の腕や背中を思い出しクスリと笑ってしまった。

prev- 68 -next
back