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私は園子ちゃん達に誘われて、展示場へ来ていた。入り口近くに蘭ちゃん、園子ちゃん、コナン君、それに真純ちゃんがいるのが見えて走って向かう。

「こんにちは! ごめん、私が最後かな」
「永愛ちゃん!」
「やぁ! これでメンバーが揃ったね」
「そうね。永愛このコーラあげるわ」
「え? ありがとう」

何故だか不機嫌な園子ちゃんにコーラの缶を渡される。ごくりと一口飲むと、コナン君が横からさっきまでこの缶で園子ちゃんが手品をやっていた事、そしてそのタネを自分が解いてしまったことを教えてくれた。

すると園子ちゃんのおじさんが出てきて、展示場内を案内してくれた。

「わぁー、それにしても凄い賑わいですね」
「さっすがキッド様人気ー!」
「折角じゃから他の展示物も見て回るか」
「はい!」

「……えっ、今日キッド来るの?」
「オメー知らねぇで来たのかよ」
「誰も教えてくれなかった」
「新聞やテレビで大きく取り上げられてたぜ」
「ふ、ふーん」

快斗……いやキッドがここに来るんだ。いつも誰かに変装するみたいだし、また私の事を眠らせて変装したらタダじゃおかない。このメンバーじゃ私が一番変装しやすいだろうし。

「わぁ、凄い。ガラスケースの周り人がいっぱい」
「てかあれって」
「水槽?」
「そうじゃ。奴が狙っておるのは、この亀が背に纏っておるレッドダイアモンド。ブラッシュマーメイドじゃよ」

宝石のついた亀が大きな水槽の中を泳いでいる。この宝石をキッドが盗みに来るんだ。……あっ、もうこの近くにいたりするのかな。絶対眠らされない様にしないと。

「関係者以外はこの部屋から退出しろ!」

メガホンを持って入って来たのは、青子のお父さんだった。
片方の幼馴染が怪盗をやってて、もう片方の幼馴染の父がその怪盗を捕まえようとしている。改めて考えると困った立ち位置だな、と頭を抱えてしまう。

そこへ毛利さんもやって来て、キッドは一体誰に変装してるんだろうと疑いの目を向けてしまう。もう変装してるのかな、それともまだかな。

「じゃあ予告の8時まであと30分だからトイレ済ませてくるよ」
「あっ、近くのトイレ混んでたから二階の方が良いかも!」
「了解!」

そう言って真純ちゃんはトイレへ向かう。一人で行動するとキッドに狙われたりしないかな、なんて思ったりしたけどあの子強いし大丈夫だろうな。
すると外からキッドの登場を楽しみしているであろうファンからのキッドコールが聞こえた。

真純ちゃんも10分程で戻って来て、このキッドコールに驚いていた。もうすぐ予告の時間かなぁ。一体どこから現れてどう盗むんだろう。

「えっ?」
「どうしたの、園子ちゃ……!?」

突然園子ちゃんが驚きの声を上げたので隣を見ると、後ろのカーペットがめくり上がって来ていて足を取られる。私と園子ちゃん、真純ちゃん、それに青子のお父さんや毛利さんの体がカーペットに持ち上げられ、正面の水槽の方へ向かっていく。

3、2……とキッドのカウントダウンが聞こえ、吊り上げられていたカーペットが落ち、揉みくちゃ状態から解放された。

「園子、世良さん、永愛ちゃん、大丈夫!?」
「それより宝石は!?」

真純ちゃんの声を聞き、その場にいた全員が水槽を確認する。さっきまで泳いでいた宝石のついた亀は姿を消していた。

カーペットで水槽を目隠ししてる間に盗んだのか。でも一体どうやって……。園子ちゃんのおじさんが水槽の中を確かめるも、やはり亀はいないみたいだった。

「今回はワシらの負け。撤収じゃ撤収! どうせ奴はここから立ち去ってしまったいたたっ!」
「と見せかけてまだこの展示場内にいるんじゃないのか?」

おじさんの頬を真純ちゃんが引っ張る。引っ張っても痛がるところを見た感じ、変装ではないようだ。人も沢山いるし誰に変装してるのか分からないや。

「なに!?」
「だって怪盗キッドっていつも暗闇にするか煙幕をはって姿を消してるんだろ? でも今回は明かりが付きっぱなしで姿さえ見せていないじゃないか。キッドが本当に亀ごと宝石を取ったんなら、まだこの中にいるはずだよ」

流石真純ちゃんだ。キッドの行動を予測して推理している。

「何人かの組になってボディチェックするってのはどうだ?」
「ボディチェック?」
「キッドなら宝石付きの亀を今も持ってる筈だしな。だよなー、コナン君」
「えっあぁ、うん。そだね」

そして女の子四人でボディチェックし合うことになったのだが、真純ちゃんが自分がこの班に入って良いのか、と何故か驚いていた。

「隅から隅まで調べてあげるわ」
「私、亀を隠すなんて出来ないよ」
「じゃあ誰から始めよっか」
「だったら年の順で永愛ちゃんとボクから調べてくれ」
「年の順って二人とも何月生まれなの?」
「あっ、いやそもそも私は皆より……」
「ていうか何で私達の生まれ月知ってるわけ?」
「まぁ世良さん探偵だからね」
「ふーん」

生まれ月って、私皆より三つも上なんだけど……。まぁいっか。でも真純ちゃんは私が年上ってこと知ってるんだ。言ってないのにいつの間に。

園子ちゃんが真純ちゃんの胸や腰を、私は背中や腕をチェックしていたがそこで違和感を覚えた。この筋肉のつき具合、手の大きさ……覚えがあるような。彼女の体をこんなにぺたぺたと触るのは初めてな筈なのに、どうしてだろう。

「次は永愛ね」

考え込んでいると園子ちゃんに名前を呼ばれ、ハッとする。

「永愛ちゃんのチェックはボクがするよ。二人はお互いのチェックをしてくれ」
「最初から二人ペアにすれば良かったじゃない」
「そだね」

「じゃあ永愛ちゃん、チェック……させてもらうよ」
「か、顔が怖いよ……」

怪しい手の動きをさせながら私へジリジリと近づいて来る真純ちゃん。何故か楽しそうなんだけど……!?


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