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コナン君に誘われたパーティにやってきた。なんでも園子ちゃんが招待されたパーティに私も参加して良いそうだ。
パーティって美味しいものがたくさん並んでいて楽しいなぁとご飯を沢山頬張っていた時、歩美ちゃんに声を掛けられた。

「永愛お姉さん、私達についてきてほしいの!」
「えっ、うん。良いけどどこ行くの?」
「探検! 食べたい物袋に入れて持っていくの」

目をキラキラさせて袋を私に差し出す歩美ちゃん。探検なんて可愛いな。ピクニックでもするのかな。

歩美ちゃんの後をついて外へ出ると、光彦君や元太君が荷物を持って待っていて、そこからは歩く歩く。あっという間に山の中まで来てしまった。

「この辺りで待機です」
「何か始まるの?」
「もうすぐだからお楽しみだよ!」

そして荷物の中から双眼鏡や釣り竿を出す皆。虫でも捕まえるのかな。いやでも釣り竿? 飛んでる魚?

「あっ! 来たよ!」
「俺にも見えた!」
「やっぱり西に向かって飛んできましたね。僕の読み通りです」

歩美ちゃんが指差す方にはハンググライダーで飛んでいるキッドがいた。何となく察した。この子達、アイツを捕まえる気だ。
青子のお父さんが捕まえれないのにこの子達に出来るわけ……と思って様子を見ていたら、ペッパー戦闘機と名付けられたラジコンがキッドに向かって飛んで行った。そして、彼の近くでラジコンからコショウが放出され、くしゃみをしながらキッドは下へ下へと落ちて行った。


キッドが落ちたぞー! と喜びながら彼が落ちた先に向かう皆。この子達凄いや、流石少年探偵団。

森の中を懐中電灯の光で照らしながら進んでいくと、キッドの身につけていたものが落ちていた。

「キッドのハンググライダーです」
「あっ! 服もあるー」
「この辺りにキッドがいるぞ」
「本当に落としちゃったんだ……。皆凄いね」


突然、ひぃぃぃぃと聞き覚えのある驚いた声が聞こえたのと同時に茂みから誰かが出てきた。

「「あっ」」

私と彼の声が被った。そして少しの沈黙の後、光彦君が新一さんですかと尋ねた。

「そうだ! 新一お兄さんだー!」
「あ、そうそうそうそう!俺、工藤新一。久しぶりだなオメーら」

ワシャワシャと髪をいじり新一君のような髪型を創る少年。子供達みんな誤解してるけど、この人新一君じゃないよ。

「新一お兄さんもキッドを捕まえに来たの?」
「あぁ、けど一足違いで逃げられちまってよー」
「それじゃ一緒に追いましょう!!」

「なぁねーちゃん。あのにーちゃん誰だっけ」
「あぁ。彼は私の……っむぐ!?」

元太君の質問に答えようとすると、焦った様子で駆け寄ってきて私の口を塞ぐ快斗。言ってはいけないのだろうか。

「えー! 永愛お姉さんの、なにー!?」
「今、私のって言いましたよね」
「何だ? 彼氏か?」

子供達がキャーキャーと騒ぐ中、いつまで経っても快斗は解放してくれない。私の幼馴染って言いたかっただけなんだけど。

私の口を塞いでいた手は私の耳元に移動し、彼は小さな声で話した。

「俺は工藤新一って事にしておいてくれ」
「えぇ? じゃあ新一君って呼んだ方が良いの?」
「こいつらの前ではその方が良いだろ。俺の事はアイツら知らねぇんだし」
「そうかなぁ……」
「そーそー」

とりあえず今は彼の言う通りにしてあげるとするか。それと何故快斗がこの子達のことをそこまで知っているのか、そんな疑問は分からないふりをしておこう。


しかし怪盗キッドを皆で捕まえることになったけれども、複雑な気持ちだ。だって隣にいるんだもん。見つかりっこない。

にしても子供たちが少し髪を似せただけの快斗を新一君だと思い込むんだもんな。やっぱり似てるんだ。彼の横顔を見つめているとムッとされた。

「なんだよ」
「ううん、何でも」

ふふふと笑っていると頬を引っ張られた。その様子を珍しそうに見る三人。

「お二人は仲が良いんですね」
「「えっ」」
「一緒にいるとこあんま見たことねーぜ」
「こっそり会ってたりするの?」

答えづらい問いに悩んでいると、隣から「たまーに会うくらいだな」と代わりに答えてくれた。


すると突然、猪が茂みから飛び出してきて、こちらに向かって突進してくる。

「なんでぇぇ!?」

どうしてこんなところに猪がという疑問を捨て、向かってくる猪から必死で逃げる。子供たち、意外と足が速い……。


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