×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

コナン君が家に来た。というのも私が家に呼んだ。ちょこんと座布団の上に座るコナン君。本当小さくて可愛い。

「で、何だよ話って」
「待って、今からレモンパイ切るから」
「本当か!?」

昨日電話した時に聞いた彼の好物、レモンパイを買ってきた。喜んでくれているようだし買ってきてよかったかも。

「どうぞー」
「サンキュー! 永愛が作ったのか?」
「ううん、私手の込んだお菓子なんて作れないよー」
「料理しねぇの?」
「うん」
「ちょっとぐらいしろよな」

この前快斗にも同じようなこと言われたな。レモンパイを美味しそうに頬張るコナン君。やっぱり可愛い。

「それで、何か聞きたいことがあるんだろ?」
「うん。……コナン君、私にまだ何か隠してない?」
「オメーには全部話したよ。俺の正体も組織のことも」

「最近工藤邸に住んでいる、沖矢昴さんのこととか」
「っ! あぁ、あの人か。前に話した通りだよ。住んでたアパートが火事になったから俺の家を貸してるだけだって」
「赤の他人を自分の家に住まわせるなんておかしいよね?」
「遠い親戚なんだよ、沖矢さんとは」

彼の口からスラスラと言葉は出てきているものの、あまり目を合わそうとしない。嘘なのか本当なのか、それは分からないけれど彼は持っていたフォークを置いて真剣な顔つきになった。

「……信じてねぇな?」
「正直に言うと、そうだね」
「あの人は敵じゃない。それだけは言える」
「うん。それは何となく分かる。でも何か裏がある気がしてならないんだよね、沖矢さんって。言葉が引っかかるって言うか」
「詮索はしないでくれ……って言っても、俺の正体を突き止めるぐらい鋭いからなぁ」

あークソッと言ってコナン君は頭をかく。沖矢さんとコナン君の間にはやっぱり秘密がある。でもその秘密は私には多分言えないほど重要なんだ。

「分かった。もう気にしない」
「えっ? あぁ」
「そのかわり一つ教えて。その秘密はコナン君が危ない目にあうの?」
「いや、俺はあわない可能性が高い。ただ……」
「あー! ううん良いよ! それなら安心した」
「さんきゅ。その時が来れば必ず永愛にも言うからよ」

そして彼はホッとしたような顔をした。そういえばまだ聞くことがあったんだ。

「沖矢さんに、コナン君が新一君だって言ってるの?」
「いや、言ってねぇけど……」
「そう」

じゃああっちが勘付いた感じ……なのかな。ふとコナン君を見ると私も彼も同じ考えるポーズをしていたので笑ってしまった。

「ふふっ、レモンパイ食べよ」
「おっ、おう」

レモンパイなんて普段あんまり食べないけど、美味しいな。食べ終わったところでコナン君が「あっ」と声を漏らした。

「俺も聞きたいことがあるんだよ」
「なになに?」
「怪盗キッドとどういう関係なんだよ。会ったのは最近じゃねーな?」
「えっ? ……ちょっと待って考える」

怪盗キッドと言う存在は、青子のお父さんがずっと追い続けていることから名前だけは聞いたことがあった。八年ぶりに復活したとテレビで見てから数日後、キッドは盗んだ宝石を持ってベランダに現れた。

「やっぱりキッドと会ったのは、この間ここで会ったのが初めてだよ。その次が園子ちゃんに誘われたクルーズでかな」
「隠してねぇだろうな?」
「うん」
「キッドが永愛に変装して宝石を盗んだのは知ってるだろ?」

私に変装して……? あ、もしかして予告状が出された日のパーティーの事かな。確か眠らされたんだよね私。

「お手洗いに向かった時にスプレーをかけられて気付いたらベッドの上だったんだよねぇ」
「……」

急に黙ったコナン君に疑問を持つ。ベッド? と呟いていたけど、何か変な事を言っただろうか。

「どうかした?」
「いや。奴の変装はいつも完璧だがオメーの変装は永愛そのものだったんだよ。小さな仕草や何から何まで」
「へぇ、すごいね。ほんと誰にでもなれるんだ」
「それにお気に入りって言ってやがったし」

抱き締められた時にそんな事言ってたっけ。あぁ、思い出しただけで恥ずかしい。

「でも私がキッドに会ったのは最近だよ? 何でそんな……」
「一方的に知られてる可能性があるんじゃねぇか?」
「じゃあ私キッドにストーカーされてるって事!?」
「いやそこまでは言ってねぇけど。まぁ似たようなもんじゃねぇかな」

そういえば私の幼馴染の情報も持っているようだし、次キッドに会う時があれば問い詰めてやる。出来るか分からないけど。

prev- 33 -next
back