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事件のあったファミレスに着くと、和葉ちゃんが皆に状況を説明した。必死に話す和葉ちゃん可愛いな。彼女の話によると事件の第一発見者の外国人男性が怪しかったらしいが、蘭ちゃん達の知り合いの人だったみたいだ。名はキャメル捜査官、というらしい。ん? 捜査官?


「捜査官って……」
「この人相の悪い外国人、知り合いなんか?」
「うん!」

和葉ちゃんと服部君の問いにキャメル捜査官ではなく、コナン君が答える。

「FBIの捜査官で、今はたまたまお休み取って日本に旅行に来てるんだよね?」
「あ、ああ……」

何故君がそんなに詳しいの。日本の警察だけじゃなくFBIの人とも仲良いのかな。本当顔広いなこの子は。そしてキャメル捜査官が探偵さん達に事件について説明している間、私は蘭ちゃん、和葉ちゃんとここのお店のメニューを眺めていた。

「お腹減ったね……」
「さっきからお腹の音すごいもんね、永愛ちゃん」
「えっ、聞こえてたの? 恥ずかしい」
「もうお昼過ぎてるしなぁ。まだ平次らかかるんやろか……」
「お腹減って死んじゃいそう」

ぐぅー、とまたお腹が鳴る。事件を解くまで彼らはきっと戻ってこないだろうから、事件を解いてもらって早く昼食にしようよ。お腹をおさえていると、和葉ちゃんが「アメちゃんいる?」と言って飴玉をくれた。天使。

飴玉を食べて少し元気が戻った私は、推理する探偵さん達の元へと向かった。私には疑問に思うことが一つあった。事件のことではなく世良真純さんの事だ。彼女とは初対面だけど、どこかで見たような気がする。

「コナン君、あの世良さんって子どこかで見たような気がするんだけど、知らない?」
「……実は俺もなんだよ。ずっと昔に会ったことあるような」
「私は誰かに似てるような気もしなくもない」
「どっちやねん。なんやお前らどっちも曖昧やのー」

やっぱり見てるとしたら私だけか。顔の広いコナン君だったら知ってる気がしたんだけど。でも彼は彼で私とは別で世良さんに会ったことがあるようだ。

「あっ、ところで謎は解けそうですか?」
「いや、まださっぱりだよ」
「せやったら俺が一歩リードやで!」

服部君がドヤ顔で自分の推理をコナン君に教える。そこにキャメル捜査官や目暮警部達も加わり、徐々に事件の真相が明らかになっていく。そこで分かったのは殺人犯はまだこの店内にいるという事だ。

「ちゅうわけで……。今んトコ、俺がコイツより一歩リードっちゅうこっちゃ!」

そう言って服部君はコナン君の頭をわしゃわしゃと撫でる。彼の正面に来ていた世良さんに向かって言ってるようだけど。……あれ? 世良さんにコナン君の正体のこと、教えているのかな。

「コイツって……、工藤君と勝負してたんじゃないのか?」

あ、教えてなかった。服部君、本当嘘付くの下手くそと言うかすぐ忘れると言うか……。

「せ、せやからコイツのバックにおる工藤よりっちゅう意味や!」
「ふーん……」

納得してなさそうな表情だ。彼女も探偵さんなんだから鋭いだろうに。

「オイ、さっき俺のことアホや思てへんかったか? 」
「へっ!? なんでバレ……」
「誰がアホやねん!!」
「いたたたたっ! ごっごめん」

頭をものすごい力で掴まれてめちゃくちゃ痛い。謝ってるのに全然離してくれない! 絶対いつかやり返してやる!


ようやく服部君から解放されたかと思ったら、探偵さん達は店内にいるアリバイのない三人の事情聴取をしに行った。西と東のどちらが名探偵なのかという勝負は、服部君がリードしているようだ。

「永愛ちゃん! こっちこっちー」
「蘭ちゃん!」

蘭ちゃんに声をかけられ振り向くと、和葉ちゃんと毛利さんと一緒に席に座ってメニュー広げていた。手招きをされて私も席に座る。

「ごはん!?」
「永愛ちゃんもお腹ペコペコやろ? 先食べてしまお」
「うん!! お腹減った!」
「何注文しようか」
「容疑者の三人が注文した料理を食べて調べるに決まってんだろ」
「流石お父さん!」

容疑者の人達が食べた料理はカレー、塩ラーメン、麻婆豆腐の三品だったので、私と和葉ちゃんがカレー、毛利さんが塩ラーメン、蘭ちゃんが麻婆豆腐を注文した。ここのカレーは和葉ちゃんが大阪から態々買いに来るくらい美味しいらしいから食べるのが楽しみだ。

少し待つと注文した料理が運ばれてきた。殺人事件があったというのに注文を受けるここのファミレス強い。カレーを口に運ぶと少し辛かったけどとても美味しかった。よし、レトルトカレー買って帰ろう。


「ええっ!? 犯人わかったの? 新一兄ちゃん!!」
「え……えええ!?」

携帯電話を片手にコナン君が声を荒らげた。そっか、コナン君が新一君に電話して推理してもらってるって事になってるんだっけ。なんという一人芝居。

コナン君は魔法の料理だと言う味噌汁で、容疑者三人のうち犯人の一人を突きとめた。そこで事件は解決し一件落着かと思いきや犯人は暴走した。刃物を取り出し蘭ちゃんの方へと走っていく。

「退けぇ!!」
「蘭ちゃん!」
「あ、そっちはやめた方が……」

コナン君の一言でハッとする。そういえば蘭ちゃんめちゃくちゃ強いんだった。彼女は男の手を蹴りナイフを飛ばす。ナイフが回りながら宙を舞うので、私は地面を蹴って空中でキャッチした。誰かに当たったら危ないもんね。

犯人の男は次に和葉ちゃんの方へと走っていくが、彼女もお強いようで男を投げ飛ばしていた。

「二人とも強いなぁ」
「君もナイスキャッチだったよ」
「へへっ」

無事に犯人は逮捕され、服部君と新一君の西と東どちらが名探偵対決は引き分けに終わった、らしい。


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