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- ナノ -

「こんにちはー!」
「あ、永愛ちゃん」
「暇だから遊びに来たよー!」
「ここは遊びに来る場所じゃねーぞ。ったく」

ポアロで朝ご飯を食べて、上の毛利家に寄る。昨晩のお礼を安室さんにしたかったけど、生憎彼はお休みだったようだ。突然入ってきたのに笑顔で迎えてくれる蘭ちゃんは天使。毛利さんには何か言われた気がしたけど聞こえない聞こえない。

「初めて会う子だね」
「ん? うぐっ!」

またしてもイケメン!! 帽子が似合い、すらっとした脚が魅力的な男性。うわぁ、かっこいい……。

「あぁ、この子は新谷永愛ちゃん。新一繋がりで仲良くなったの」
「へぇー。ボクは世良真純。よろしくな!」
「わっ、よろしく」

世良真純君。笑顔が素敵なカッコかわいい系男子、イイ……!

「……ん?」

クイクイと服の袖が引っ張られ、下を向くとコナン君がジト目で見上げていた。

「世良の姉ちゃんは女の人だよ」
「えっ、えぇぇぇぇ!?」
「あははっ、よく間違えられるんだよ」
「私や園子も初めは男の子だと思ってたもん」

女の子だったのか……。ボーイッシュな子なんだなぁ。よく見るとこの子、どこかで見たことあるような。いやでも会うのは初めてだし、なんでだろう。

「あ、話の途中だったな。それでその彼は大阪府警本部長の息子でその上高校生探偵なんだよね」
「うん! 名前は服部平次君」
「服部君? え、大阪府警本部長の息子!?」

何故服部君の話をしているのかは分からないが、お偉いさんの息子だったのか……。あんなに口が悪いのに。隣で「考えてることバレバレだぞ」とコナン君に小声で言われた。

「服部君曰く、西の服部、東の工藤って並び称されてるらしいよ!」
「西と東か……。じゃあぶっちゃけ西と東……どっちが名探偵なんだ?」

えっ、どっちなんだろう。私には事件の推理なんてさっぱりだからどっちの方が凄いとか分からないけど。

「お、同じだと思うけど……」
「で、でもあえて言うなら、やっぱ東の……」

「西や……」

今、後ろのドアから声が聞こえた気が……。

「この西の高校生探偵、服部平次の方がめちゃめちゃ上やっちゅうんじゃボケ!!」
「うがっ!?」

突然後ろのドアが勢い良く開き、私の体は飛ばされた。痛い、ドアに当たった後頭部とお尻、そして転けた時に床で打った顔と膝が……。

「黙って聞いてりゃ勝手なことぬかしよってからに……」
「服部君! って、永愛ちゃん大丈夫!?」
「い、いたい……」
「おうスマンスマン。せやけどドアの前に立っとるから悪いんや」
「なんだとぉ」

心配して頭をさすってくれる蘭ちゃんに対して、服部君は本当ムカつく! スマンスマンじゃ許さないぞ!

「それより、おらんやないけ! どこや? 最近ひょっこり現れて工藤の事嗅ぎ回ってるっちゅう女探偵は……。もしかしてお前か!?」
「違うよバカ!」
「誰が馬鹿じゃドアホ!」

なんで私なんだよ。そもそも嗅ぎ回ってるって言ったって、もうコナン君の正体は知ってるし、その事は服部君が教えてくれたんじゃないか!

「ここにいるじゃない! 世良真純ちゃんよ!」
「別に嗅ぎ回っちゃいないけど……」
「あ、あんた女やったんか!?……にしては乳がさみしないか?」
「それはこれからボーンと出て来る予定さ!」

うん、確かに。膨らみがあったら私も男の子だとは思わなかっただろうし。それにしても服部君は胸しか見てないのか! 私にも前に失礼な事言ったし!

「それより和葉ちゃんはどうしたの? 一緒に来るって聞いてたけど」
「あぁ、アイツは寄り道や」

わぁー、和葉ちゃんも来てるんだ。是非とも会ってお話ししたい。服部君の話によると彼女は今レトルトカレーを求めてファミレスにいるようだ。


しかしそこで事件は起きた。和葉ちゃんからの電話で、ファミレスで人が亡くなったと聞かされた。現場に向かうことになった私達だが、この事件で西と東もとい服部君と新一君、どちらが上か対決する事になった。結果が気になるので私もついて行くことにする。


ファミレスに向かう途中で服部君に小声で話しかけられた。

「工藤に全部教えてもろたみたいやないけ」
「うん、そういう流れになっちゃって。あ、勿論口外はしないよ」
「当たり前じゃ。しっかしお前、強いんか? 工藤の事を知ったちゅーことは危険を伴うって事やろ?」
「ある程度の護身術は身につけてるけど、特別強いわけじゃないよ」
「鍛えとかな死ぬんとちゃうか」
「あははっ、相手が銃持ってたら瞬殺だね。あ、もしかして心配してくれてる?」

冗談半分で言ってみたのに、何故か黙られた。そして「まぁ、な」とぼそりと呟く。えっ、わわっちょっと待って。貴重なデレを頂きましたよ!? いつも暴言ばかり吐いてくるあの服部君が。

「コココココナン君! 服部君がっ! デレた!」
「え、デレ? 何それ」
「……お前ほんま腹立つわ!」


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