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「いらっしゃいませ」

ポアロに来たらめちゃくちゃイケメンな人がいた。素早くカウンター席に座ってカウンター越しに梓さんに小声で話しかける。

「ああああああずささん!? なななっ何あのイケメン! どなたですか!?」
「あぁ、新しく入ったアルバイトの安室さんよ。もしかしてタイプ?」
「はい、とても!」

快斗や新一君、服部君は側から見たらイケメンだと思う。だけど安室さんには更に色気があって大人のオーラがある。あぁ、カッコ良すぎて彼から目がそらせない。

「永愛ちゃん大丈夫?」
「ううんうんうん」
「どっちなの」

うわぁイケメンが微笑みながら近づいてくる。キラキラのオーラが眩しい!

「梓さんと仲が良いんですね。よろしければ名前を伺っても?」
「ふ、ふぁい! 新谷 永愛です!」
「永愛さんですか。僕は安室透と申します」

いきなり名前呼び! やっぱりイケメンは違う。というか笑顔の破壊力がすごい。

「ご注文は何になさいますか?」
「おおおっおすすめとかありますか!?」
「永愛ちゃんそんなの聞いたことなかったのに」
「そうですね。個人的なことになりますがコーヒーが美味しく淹れれるようになったんですよ」
「じゃあ、コーヒーでっ!」
「え、永愛ちゃんコーヒーなんて頼んだこと一度も……」

コーヒー淹れる安室さん素敵。綺麗な手に締まったウエスト、シャツの下には綺麗な筋肉がついているんだろうなぁ。

「お待たせいたしました」
「ありがとうございます!!」

コーヒー、苦い。でも安室さんが淹れたものなら美味しく感じる。一回コップを置いてもう一度口をつける。ほらさっきより甘く……甘く、あれ? 甘すぎない?

「幸せそうだね、永愛姉ちゃん」
「ブブッ! コナン君!?」
「僕がいる事もコーヒーに砂糖を大量に入れた事にも気付かないなんて」
「ごっごめん」

隣の席にコナン君がいるのも分からないくらい浮かれてたのか私。めっちゃジト目で見てくるし溜息吐くし、怖いよこの子。

「コナン君とも知り合いなんですか?」
「えっ、えぇハイ。弟みたいなものです!」
「へぇ。面倒見が良いんですね」
「えへへ、そうなんですかね」
「永愛姉ちゃんは精神年齢が低いから、僕が面倒見る側だよ」

ねっ永愛姉ちゃん、と笑顔を向けられるが聞き捨てならないぞ?
これでは安室さんに変な印象を与えてしまうではないか。

「んー? 何言ってるのかな? コナン君はまだ子供だから実は私が面倒見てあげてることに気付いてないんだね。まだ子供だから」
「僕永愛姉ちゃんが何言ってるか分かんないなぁー。子供だから」

黒い笑みで私の脇腹を摘んで引っ張り回す。いたたたいたい。マジで痛い。レディのどこを摘んでるんだ。皆に見えないようにやりやがってコイツ……!

私達を見て姉弟みたいですね、と微笑んで一言。その安室さんの輝かしい笑顔に胸を撃ち抜かれた。

「コナン君と永愛さんはどういう繋がりで知り合ったんです?」
「確か、コナン君が蘭ちゃんの所に引き取ってもらった時に知り合ったんだよね?」
「うん、そうだよ」

蘭ちゃんから紹介された時のコナン君、あざとくて可愛かったなぁ。どんどん毒吐かれるようになったけど。

「あ、元々蘭ちゃんとはポアロで知り合って仲良くなったんです」
「そうでしたか」
「安室さんはアルバイトですか?」
「一応本職は探偵です。毛利先生の弟子になったんですよ」
「おぉ、すごいですね!」

探偵。しかも毛利さんの弟子……。まさか安室さんも毛利さんと同じように眠らせて推理してるんじゃないだろうな、コナン君。と思っていた事が伝わったのか、「んなわけねーだろ」みたいな顔をされた。

「何かあれば頼っていただいて構いませんよ。とはいえ毛利先生とお知り合いなら必要ないかとは思いますが」
「いえ! 必要……頼ります!」
「ありがとうございます。ではよろしければこちらを」

安室さんから連絡先の書かれた紙を受け取る。思わず手が震えてその紙を上に掲げる。

「おおぉ! やったー」
「やったー?」
「いえ何でもないです!」

あぁ。気持ちが高ぶると思ってる事を声に出しちゃう癖直さないと。でも安室さんの連絡先かぁ、嬉しいな。



その後も甘めのコーヒーを飲みながら、コナン君や安室さん、梓さんと会話を交わしながら、のんびりとした時間を過ごした。

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