▼ 夢見るアチャモ
大好きな絵本がある。
みにくいコアルヒーの子、という本だ。
空を上手に飛べないコアルヒーが最後には美しいスワンナになって大空に羽ばたくのだ。
今日もご主人にお願いして読んでもらった。最後のページでは何回見ても目頭が熱くなる。
そして思うのだ。ボクも空を飛びたい、と。
ご主人の持っているポケモン図鑑は、ボクのことを“ひよこポケモン”と言った。賢いボクは、ひよこが鳥に成長するのだと知っている。
と、いうことは。ボクは進化の後に大きな翼を得るだろう。
ああ、楽しみ。
ご主人を背中に乗せて飛んであげよう。他のポケモンにも負けないくらい速く、でも安全第一で、何処へでだって連れて行ってあげるの。
ご主人は絶対に喜んでくれるはず！
だからボクはいっぱいバトルをして早く進化したいのに、どうしてご主人は難しい顔をしているんだろう。
「本当のことを言うのはなぁ‥‥」って。
一体ご主人はボクに何を隠しているの？
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