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▼ つんつんツンデレ

手のひらに乗せたポフィンがベチンッと吹っ飛ばされた。美しい放射線を描いて遥か遠くに落下したそれに目頭が熱くなる。
きのみをそのままであげた時にかなり怒られたので加工して見たのだが‥‥結果はコレだ。
昨日はホウエンのポロックを作ってみたが見事フライアウェイだったので、今日はシンオウのポフィンに挑戦したのに。

あぁー‥‥、と行き場の失った手がだらんと垂れた。因みにとても痛い。
これは結構本気で叩かれた模様。

「お前、辛いの好きだろ?だから頑張って見たんだけど‥‥」
「‥‥‥」
「ジャ、ジャローダ‥‥俺のこと、その、嫌いか?だから食べてくれないのか?」
「‥‥‥」
「ッ!?ギブ!ギブ!!しめつけるはダメですよ!?あばばばばはば」
「‥‥‥」
「い、息っ!俺死ぬ!ジャローダさん死んじゃうよぉ!」
「‥‥‥」

無慈悲に地面に落とされた俺氏。痛みに呻くより空気を吸い込める事に感謝。

無様に転がって酸素を吸い込んでいる俺を一瞥したジャローダたんは、しゅるしゅると優雅に離れていきましたとさ。
何これ涙ちょちょぎれる。



×××



吹っ飛ばしてしまったポフィンの元までご主人に気が付かれないよう、あくまでさり気なくやって来た。盗み食いをしようとしていた野生のポケモンを一睨みして追っ払い、すん、とポフィンに顔を寄せる。
簡単に埃を払って口に入れれば、途端に広がる好物の辛味。やっぱりご主人の料理の腕はいい。いや、もしもご主人が料理下手だったとしても、私のためにご主人が作ってくれたものなら美味しいに決まってる。

ご主人。ご主人、大好きよ。
一瞬ご主人の手に触れただけでときめいていたのに、今日は大胆にも巻き付いちゃった。
ドキドキと高速で脈打つこれをご主人に聞かれてたらどうしよう。余裕で恥ずか死ぬ。



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