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もう、したばかりの時のように、既成事実で恋人になれるだなんて都合のよいことは考えてない。
今思えば、よくあんな幼稚な考えで彼と結ばれると思ったものだ。
肉体が結ばれたからといって、心まで繋ぎ止められるわけがないのに。
現に、ずっとジャーファルの口から好きだなんて言われていない。
……酒に酔った勢いで、誰でも良かったのだろう。
ならば捨てられないくらい情をもってもらおうと思ったけど、シンドバッドが帰ってきて、それに仕えてる姿を見て思った。
ああ、彼は兄様のモノなんだって。
私は、彼の一番にはなれない。 不毛な恋だった。
「ジャーファル……話が、あるんだ」
もう、歪な関係は終わりにしよう。
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