間走・動き出した従者・
「おぅ!ルカ!お出掛けかぁ?」
とある船の甲板、ルカは呼び止められて振り返る
「あっスパーダ!調度良かった、イリアにコレ渡してくれない?お使い頼まれちゃったから」
背後に立つ親友にルカは包みを託そうとした
しかしスパーダは気まずそうな顔をして頭を掻く
「あー、今は町に行かねぇ方がいいぞ?」
「?、何で?」
首を傾げるルカにスパーダは「ほれ」と言って一点を指差す
ルカはそれに従い町の方を見て、愕然とした
「何・・・あれ?」
「見ての通りだよ、今さっき気付いて仰天だぜ」
それは大きな魔物だった
昔、負の影響で巨大化した魔物を何体か見たことがあるが今ここにそれが起きてるんじゃないかと錯覚するほど、その魔物は大きかった
「今チビッ子船長がぎゃんぎゃん騒いでたからその内指示出るだろ?
それともお前あれか?ひ・と・りでアレに喧嘩売りにいくか?」
ぷるんぷるんと首を大袈裟に左右に振るルカ
期待通りの反応がイマイチつまらなくてスパーダはじと目でそれを見ていた
「はりゃ?でもこのままだと姫危なくない?」
「あっ・・・確かに・・・って、え?」
気づけば横に少女が立っていた
日差しに橙の髪が柔らかく反射している
その背後には黒髪の少女もいた
二人とも外に出てく気満々である
「大丈夫か?一応アイツらが若についてンだろ」
「一人はともかく、変態に護衛なんて任せられる訳ないでしょ!
というわけで行ってくるよん!」
とうっと橙の髪の少女は船から地面へ飛び降りる
余程心配らしい
「皆には言ってあるから気にしなくてもヘーキだよ!じゃあ私も行ってきまーす!」
「あっちょっと・・・」
ルカの制止虚しく、黒髪の少女も続いて飛び降りる
駆け出した二人はたちまち町の中へと姿を消した・・・
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