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変わったお前とあたしと君と2






「・・・おいおい、そう怒るなって。悪かったよ。確かにあれはない言い方だった」


とある一室。
非常によく整理された清潔感のあるその部屋に話し声が響く。


銀髪の少年が壁にもたれ掛かるようにして一角に座り込んでいた。
部屋にある姿は、彼一人。

話し声は続く。


「だーかーらー怒るなって。大体いいだろ?別にバレた訳じゃないしさぁ・・・ん?『兄弟の質問』?・・・あぁ、アレなぁ。ちょっと勘づかれたかもな・・・って、だから怒鳴るなよ!たくっ・・・」

ふぅーと大きく溜め息を吐く少年。
ガシガシと頭をぞんざいにかき上げる仕草は、彼の癖だった。


「もとはと言えば、お前がずっこけたのが悪いだろ。アレが絶対きっかけであんな質問が・・・・・・あ?俺の発言がもうアウトって言いたいのか?そもそもなぁ・・・何であんなこと言ったか分かってるかお前?ないだろ?ないんだろ?全く・・・」


「真っ先にイリアに興味を持ったのはお前じゃないか。『可愛いな・・・』って呟いたのは誰だ。・・・何恥ずかしがってんだよ、今更だなオイ」

「ま、バレたらバレたでいいじゃないか。あいつなら案外いい理解者になってくれるかも知れないぞ?
と、いうわけだ。俺は寝るからな」


お休み、そう呟いて少年が目を閉じる。

が、その瞳は直ぐにまた開かれた。
少年は一息はぁと溜め息を漏らすと、先ほど乱した髪の毛を手櫛で丁寧に直す。


「・・・もう、身勝手だなぁ・・・・・・僕もお風呂に入って寝よう。
・・・今日もお疲れ様」

まるで誰かを労うようにそう呟いて、少年が笑う。
今まで話していた雰囲気とはまるで真逆の大人しく、静かな微笑みをその顔に浮かべて。





「お休みなさい、アスラ」

誰かに語りかけるように、ルカは胸に手を当て目を閉じた。




++++++
ひたすら長いメモ(というか設定)

双子
・ルカとアスラは二心同体というか、一つの体に二人の精神が存在している。アスラが兄でルカが弟。
・だけど体そのものは本来ルカのものでアスラはそれに同居(生?)させてもらっている感じ。
・体の使用権は互いの意思で決まる。基本学校にいる時はルカでお仕事時はアスラみたいな感じ。ただし片方の意識が切れたり、強く表に出たがると強制で入れ換わる。
・表に出ていない方は起きていれば片方の経験を自分も記憶することが出来る。無論寝ているのもアリ。
・記憶は別々に存在。その為片方が知っててももう片方は知らないこともある。
・体は一つなので例えば入れ換わった時に精神的に元気でも肉体的疲労で動けないときもある。

ルカ
・ごく普通のヘタレ少年。
・お行儀がいい、言葉遣いが丁寧なところで見分けがつく。
・外に出るときは顔を隠す(アスラとバレない)ために黒斑眼鏡を着用(度無し)
・家事担当。アスラのために自分の体調管理に気を付けるようにしていたらなんか主婦みたいなことになってきた。

アスラ
・男らしく自分を偽らない性格。
・髪をかき上げる癖や言葉遣いで見分けがつく。
・路上スカウトで雑誌モデル的な仕事をしているが、別に人気になりたくてしているわけではなく、ただの金稼ぎ。体に居座らせてくれる弟の為に貯めてるとか。
・仕事時はうなじにかかるつけ毛を着用してルカに支障がないよう偽装をしている。

イリア
・大雑把で強気な少女。
・雑誌モデル的な仕事をしている。ルカとはクラスメイト。
・アスラとは意気投合している。
・今のところ誰にも恋愛感情は抱いていない。


アスラが偽物過ぎてごめんなさい。あと想像100%でごめんなさい。

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