2000年後もラブソングを


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Devote sweet time to you


4


「…」
「(怖ぇ…)」
「あぁ、大丈夫そうだな。」
「あ!ありがとうございます!」
「あとはこれを元に、」
「はい!…リヴァイさん、」
「あ?」
「スマホ、何か通知着てますよ?」
「あぁ、気づかなかっ………………」
「(…固まったけど…、俺席戻っていいかな…)」
「おい、エルドよ。」
「はい!(なんか怒られる!?)」
「お前、手空いてるか?」
「え?えぇ、まぁ、すげぇ空いてる、ってわけじゃないですが、」
「コレで今日来てる奴らに飲み物でも買って来てやってくれ。」
「え、」
「今のところお前が1番早い。頼めるか?」
「は、はい!(機嫌直った!?)」



「リヴァイさん、まだ仕事残ってんのに、機嫌良くなったよな?」
「わかる。なんで?目処立ったから?」
「あー…、なんかスマホ見てから機嫌直ったっぽい。」
「スマホ?…あぁ、恋人からにゃんにゃんメールでも着たのかな、」
「そーいやリヴァイさんの恋人女子高生って話だしな。」
「そりゃあ、現役女子高生からにゃんにゃんメール着たら俺だって機嫌直るし。」
「つーかどんなメールでリヴァイさんテンション上がんだろうな?」
「そりゃあお前、早く帰ってきて、とか?」
「それ女子高生じゃなく人妻メールだ。さすがに同棲してねぇだろ。」
「女子高生だしなぁ…。」
「おい、お前ら!まだ残ってるだろう。今日中に終わらせるぞ。」
「「「はいっ!!」」」




「はい?」
「…フィーナか?」


20時過ぎたくらいに、リヴァイさんから電話が着た。


「は、はい。お疲れ様です、」
「あぁ。」


リヴァイさん、帰宅途中らしく、電話越しにも、外にいるのが伝わってきた。


「…」
「…」


私たちは、元々すごくお喋り、というわけじゃない上、話すことが得意とは言い難い部類だと思う。
だから、こういう時の会話と言うか…、沈黙になるのは仕方ないと思う。


「………」
「………」


リヴァイさんはどうかはわからないけど、少なくとも私は、こう…咄嗟の気の利いた言葉が出てこなくてどうしよう、どうしよう、って、思っていた。


「明日、」
「はい?」


その時、リヴァイさんが口を開いた。


「時間あるのか?」


それはLineでも書いた内容で。


「は、はい。明日も、バイトお休みなんで、」
「…」


もう1度、時間があることを伝えた。


「明日、」
「はい。」
「…行くか?ディズニー。」
「え…?」


リヴァイさんは、私の都合を聞いた上で、そう聞いてきた。


「別の日がいいならそうするが…。」
「あ、明日がいいですっ!」
「そうか。」


突然のことに、一瞬言葉出てこなかった。


「で、でも、」
「うん?」
「…明日、日曜で、すごく、混みます、よ?」
「だな。」
「…い、いい、ん、です、か?」
「行きたいんじゃないのか?」
「わ、たし、は、行きたいです、けど…、」
「なら問題ない。」


淡々と、耳元にリヴァイさんの声が響いた。


「あ、あのっ、」
「うん?」
「あ、ありがとう、ございますっ…!」
「…あぁ。」


その後、明日の待ち合わせ時間を決めて電話を切った。
…明日、リヴァイさんとディズニーに行ける!
どうしよう、もう行けない、って諦めてたのに行ける!
そこまで思い至ったら、こうしちゃいられない、と、慌ただしく明日の準備を始めた。
そして…、


「お、おはようございますっ!」
「…あぁ…。」


あまりにも朝早いせいでか、若干、機嫌が思わしくないように感じるリヴァイさんと合流し、ディズニーに向かった。


「…なんだこの列…。」
「チケット買うための列ですよ。私たちも並ばなきゃ、」
「………」


開園前から既に人で溢れかえってるパークに、明らかにリヴァイさんが、言うなれば、うわぁ、みたいな顔をしたのがわかった。


「…今日、」
「あ?」
「止め、ます、か?」


その顔を見てしまったから、伺うようにリヴァイさんに問いかけた。


「お前、」
「はい。」
「わざわざここまで来たのに、なんで中に入らずただ帰るんだ。」


バカ言うな、くらいな勢いで眉間にシワを寄せながらリヴァイさんが言って、来たからには遊んで帰るぞ、と私の手を引いた。
…たぶん、リヴァイさんは本当に、こういうところ、嫌いだと思う。
それでも私につきあってくれる、って言うのが、すごく嬉しかった。



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bkm

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