2000年後もラブソングを


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Devote my life to you+++


5


「じ、じゃあ」
「…」


一緒に入っていながらも、こそこそと隠れるように入っていた貸切風呂から部屋に戻ったら、リヴァイさんがテレビをつけて座椅子に座った。
そして私の方を見ながら、パンパン、と自分の左腿を叩いたので、傍に寄って、ころん、と、横になった。
あぐらをかいているリヴァイさんの足を枕がわりにして。


「………」
「………」


現在朝の5時。
テレビからはさして知らなくても困らないような朝の情報番組が流れていた。


「………」
「………」


テレビの音と、リヴァイさんが時折カップをテーブルに置く音だけが響く空間が広がった。


「リ、ヴァイ、さんは、」
「うん?」


あまりの沈黙に耐えられず、体を仰向けにし下からリヴァイさんを見上げるような姿で声をかけた。


「ね、むくない、ん、です、か?」
「…まぁ、寝なくとも問題ない。」


でもそれはつまり、眠いことは眠い、って、意味ですよ、ね…?


「う、」
「あ?」
「…腕枕、してくれるなら、一緒に寝てもいいです、よ。」
「…………あぁ、じゃあそうさせてもらおうか。」


そこに考えが行き着いた瞬間、そう口にしていた。
その言葉を聞いて、一瞬間を開けたものの、リヴァイさんは軽く目を伏せ、それに同意した。
1つのお布団に枕を2つ用意して、いそいそとお布団に潜り込むと、約束通り、リヴァイさんが腕枕をしてくれた。


「それで?」


お布団に入ったせいか、リヴァイさんの目もどこか、眠そうにとろん、としているような気がした。


「お前の機嫌は直ったのか?」


その表情のまま、私にそう聞いてきた。


「……キス、してくれたら、直して『あげます』」
「………」


リヴァイさんは一瞬、口を半開きにしたけど、すぐにおかしそうに口の端を持ち上げ、チュッ、と音を立ててキスしてくれた。


「これでいいか?」
「…はい。」


そうか、と、呟くように言った後、リヴァイさん目を閉じた。
その姿を見たら、なんだか胸のあたりがほんわかしてきて、私も一緒に目を閉じた。
どのくらいの間そうしていたのかわからないけど…。
リヴァイさん温かいなぁ、とか、腕痺れないかなぁ、とか。
そんなこと思いながら眠りについた。


「フィーナもリヴァイさんも、準備いい?」


朝食は広間でバイキングだそうで、そのままのんびりさせてもらっていた私たち。
あまりにのんびりしていたから、ママから電話が着た時はマズい、と思ったけど、朝ご飯は2人で食べてくれ、って。
チェックアウトの時間を告げられ、その5分前くらいにフロントにいて、って言われて電話を切られた。
だからその言葉通り動いていたわけだけど…。


「パパ大丈夫?」
「あー、二日酔い、二日酔い!気にしないで!」


明らかに顔色の悪いパパを引き連れたママが、苦笑いしながらロビーにいた…。


「リヴァイさんは?大丈夫?」
「えぇ、俺は大丈夫です。」
「強くていいわねぇ!飲めないのに飲むからこんなことになるのよね?言ってやってちょうだい。」
「…ママ…」
「うん?なぁに?」
「…少し黙っててくれ、頭に響く…」


昨日の勢いはどこに行ってしまったのか、と言うくらい、自分の話す声もすごく小声で、本当に大丈夫なんだろうかと心配になってくるくらい、パパは具合が悪そうに見えた。


「だ、大丈夫でしょうか…?」
「あぁ、二日酔いなんてあんなもんだ。そのうち治る。」
「頼むドアは優しく閉めてくれ…!」
「あ、ご、ごめん…。」


車に乗り込んだ後、リヴァイさんにパパのことを聞いたら、別に平気、って言うし…。
そうかなぁ、って思ってドアを閉めたら、その音がまた頭に響いたみたいでパパが頭を抑えながら小声で言った。
…二日酔いの人、初めて見たけど、大変なんだなぁ…。


「次行くなら、」
「はい?」
「今度は山じゃなく、海が見える場所にするか?」


パパをチラチラ見ていたら、ハンドルを握りながらリヴァイさんがそう言ってきた。


「はい!」


あぁ、じゃあもっとバイトしてお金貯めよう、なんて。
そんなことを思った。




「(俺の前でなんて言う約束してる、ふざけるなと叫んでやりたいのに、叫んだら間違いなく俺は死ぬ…あぁ、くそっ!)」
「(ほんと、最初から最後まで楽しませてくれるオヤジだな…)」

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bkm

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