2000年後もラブソングを


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Devote my life to you+++


4


「おい。」
「…」
「だから悪かったと言ってるだろう。」
「……」
「いい加減機嫌を直せ。」


結局。
リヴァイさんは少しの間とは言え、1度寝ていたから元気を取り戻したようで、本当に今の今までつきあわされていた。
…そりゃあリヴァイさんは寝ていたからいいかもしれないけど、私は一睡もしていない(寝て10分くらいだそれも起こされた…!)
さすがに眠い。
そして怠い。
なのに当の本人はすっかり酔いも覚めたし、程よく汗もかいたしで、せっかくだから貸切風呂行くか、なんてぬけぬけと言ってきた。
さすがにそれはどうかと思い現在会話ストライキを起こしている最中だ。


「フィーナ」
「…」
「………」


ブスッ、としている私を見て、リヴァイさんは大きく1つ、ため息を吐いた。


「フィーナ。」
「…」
「どうしたら機嫌を直してくれる?」


プイ、と、リヴァイさんから顔を背けた私の頭に手を伸ばし、幾度か撫でた後指先で髪を弄りながら、私の耳に髪をかけるように指を動かした。
そうしたことで、髪でリヴァイさんが見えないようにしていた私の抵抗は呆気なく終わり、リヴァイさんが視界に入ってきて。
むっ、としながらリヴァイさんを見遣ると、


「そんな顔するな。」
「…」
「可愛い顔が台無しだ。」


少し困ったような顔をしながらも、どこか機嫌良さそうにそう言った。
………こういうところ、狡いと思う。
普段こういうこと言わないくせに、でも「言わない」ってだけで、この人の場合「言えない」とかじゃ、ない。
だからいざ口にする時は、とても滑らかに、淀みなく、こういうことを口にする。
だから、


「…」


結局私の方が恥ずかしい気分にさせられるんだから、やっぱり狡いと思う。


「私、」
「うん?」


胸のあたりが、なんだかもやもやするような、擽ったいような気分の中、口を開いた。


「すごく眠いんです。」
「…あぁ。」
「それにすごく体が怠いし…!」
「あぁ、悪かった。」
「そ、りゃあ、汗もかいたしお風呂には入りますけど、それよりも寝たいんです。」
「あぁ。」
「だから、」
「だから?」


あまり効果がないのは十分知ってる(あまりどころか、もしかしたら全く)
それでもキッ!とリヴァイさんを睨みつけた。


「お風呂から帰ってきて、リヴァイさんが膝枕をしてくれるんなら機嫌を直して『あげます』」


そう言った私に、一瞬目を見開いた後、私の後頭部を片手で抑えながら、


「あぁ、じゃあ戻ってきたらそうするよ。」


そう囁いて1度ふわり、と、口づけた。
リヴァイさんはたまにこういう風に「○○するよ」と言うような口調を使う。
それはひどく穏やかに、優しく使われるから、こういう風な言い回しを聞くと、胸がキュッ、とする。
……ほんとに、狡い人だ…。


「おい、俺が洗ってやろうか?」
「だ、ダメです!!まだ機嫌直ってないんです!!触らないでくださいっ!!」
「…了解。」


貸切風呂は、1回利用される毎にお湯を全て落とし掃除するそうだ。
だから心置きなくタオルを入れ上手く隠しながら入った(本来はダメなのかもしれないけど…)
リヴァイさんは私のその態度に、くくっ、と喉を鳴らし、本当に機嫌良さそうにお風呂に入っていた。

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bkm

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