2000年後もラブソングを


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Devote my life to you+++


3


「パパ、もうやめたら…?」
「そうよ、あなたいい加減に、」
「何言ってる!!まだ飲めるぞっ!!」
「………」


夕飯の席で、乾杯した後(私だけはオレンジジュースだった)なんというか…、見事にパパがお酒に呑まれた…。


「俺はっ!まだまだ飲めるっ!!」
「………」


そして大いにトグロを巻き始めたパパに、飄々とつきあっているリヴァイさん。
…………リヴァイさんもかなり飲んでいる気がするけど、全く変わらないってすごい…。


「勝負はまだこれか」
「パパッ!!」


再び叫んだと思ったら、パパがいきなりばたり、と、横になった。


「あぁ、大丈夫よ。パパお酒飲むと眠くなって寝ちゃうタイプだから。」
「…でも、」
「それに湯あたりもしたみたいだから、今日はもうきっと起きないわね。あなたたちも食べたら部屋に戻りなさい。」


ママの言葉にチラッとリヴァイさんを見たら、こくり、と頷かれたので、2人、パパたちの部屋の隣の、私たちに用意された部屋に移動した。


「あー…、さすがに飲みすぎた…。」
「大丈夫ですか?」
「………」


部屋に入るなり、リヴァイさんがそう呟いた。
飲みすぎた、というわりに、全く変わらないんだけど…。
私の問いに対して、眉間にシワを刻んだから、変わらないように見えて、酔っ払ってるんだろうな、って。
そんなこと思った。


「あ、どっちで寝ます?」
「…」
「私どっちでも良いんですけ、きゃっ!?」


部屋に戻るとお布団が2組敷かれていて、その間は微妙に隙間が出来ている敷かれ方だった。
どっちのお布団で寝てもいいけど、リヴァイさんはきっと「今」横になりたいだろうし、でも私はまだ眠くないからテレビ側がいいな、って言おうとしたら、ドン!と、壁側のお布団に突き飛ばされた。


「…………あ、あの、」
「寝る」


突き飛ばされたと思った直後、リヴァイさんもお布団にダイブして、後ろから私を抱きしめたった一言だけ呟いて、本当に寝息をたて始めた…。


「…………」
「…………」


宣言通り、寝てしまったリヴァイさんに抱きつかれているため、動くに動けない私は、しばらくどうしようかなぁ、とすることもなく(眠気もなく)途方に暮れていた。
どのくらいそうしていたのかわからないけど、フッ、と、リヴァイさんの腕の力が緩んだのに気がついた。
その隙を見計らって、サッ、と、お布団から出た。
リヴァイさんは用意された時のまま寝たので、掛け布団もかけないまま、寝入っている。
…あんなにお酒を飲んでいるリヴァイさんも初めて見たけど、こんな風に寝入ってるリヴァイさんも初めてで、なんだか可愛い人だなぁ、とか。
そんなこと思いながら掛け布団をかけてあげた。
その後で歯を磨きに行ったり、部屋の電気を消したりして、かなり気持ちよさそうに寝るリヴァイさんの邪魔にならないように、リヴァイさんの隣のお布団に滑り込んで小さな音でテレビを少し見た後、私も眠ることにした。


「…………」


どのくらいそうしていたのか、かくん、と、枕から頭が落ちる感覚で目が覚めた。


「………」
「………」


眠い目をゆっくり開けると、隣のお布団で寝ていたはずのリヴァイさんがこっちのお布団に入ってきていた(しかも枕を取られた…)


「リヴァイさん、」
「…」
「あの、ここ、さすがにちょっと、狭い…」
「ん…」


目を瞑ったまま、リヴァイさんは短く返事をしたと思ったら、思いっきり私を抱きしめてきた。
ことで、私の額は思い切りリヴァイさんの鎖骨あたりと密着しているわけで…。
……逆に寝にくい、ん、です、が……。


「………」
「………」


よ、っと、息がしやすいように顔をあげると、目を瞑っていたはずのリヴァイさんがこちらを見ていた。


「……あ、の、」
「勝手に出ていこうとするな。」


そう言うともう1度、強く抱きしめられた。
………ことで、今までに経験がないほど、リヴァイさんからお酒の臭いがしているのがわかった。


「酔っ、て、るんです、か?」
「酔ってなんかいない。」
「…でも、」
「黙って寝ろ、煩ぇ。」


明らかに。
リヴァイさんの吐く息が、お酒臭い…。
この人…、酔ってるんだ…。


「あ、あの、リヴァイさん、」
「あ?」


お酒を飲めない私は、これだけお酒臭い息を吐かれると、…正直、寝るに寝れない…。
だから少し、離してほしいかなぁ、と、リヴァイさんの胸を強めに押した。


「…ほぅ…」
「え?」
「いい眺めじゃねぇか。」


のが、間違いだった…。


「え?っ、」


現在旅館に用意されていた浴衣を着ているわけで。
浴衣、なんて寝転がっていたらはだけるものなわけで。
例に漏れず、はだけてしまったわけで…。
慌てて胸元を抑えたけど時すでに遅し。


「なんだ、そうしてほしいなら早く言え。」
「ち、ちょっ、」
「お前の期待に答えてやろう。」


はだけた浴衣もそそるしな、と、クスクス笑いながら、耳元で囁くように言うリヴァイさん。
…………ダメだ、今のリヴァイさん、完全に酔っ払ったただのおじさん化してる気がする…!!!


「あ、あのっ!ほら!隣にパパとママがっ、んんっ!?」
「……」
「…はぁ…」
「お前が大声出さなければ問題ない。」
「……い、いや、でもっ、」
「フィーナ」
「っ、」


ぴったり、と。
私の唇に自分の唇を寄せ、声が漏れそうになったらすぐ塞ぐを繰り返すリヴァイさん。
それからしばらく(主にリヴァイさんが納得するまで)少しの息苦しさと、吐く吐息のお酒臭さにぎゅっと眼を瞑っていた。

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bkm

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