2000年後もラブソングを


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Devote lingerie to you


2


リコちゃんとお店の人にそそのかされるまま下着を買って以降、今日初めて、リヴァイさんに会う。
の、だけ、ど、既に、今着けているこの下着を本当に着けて行くかどうかで、真剣に悩んでいる…。
別にデートのたびに、そういうことになってるわけではないし、そういうことするつもりと言うわけでもないけど…。
でもやっぱりこう…、なんて言うか、こんな下着見たらリヴァイさんはどう思うのかと思うと、やっぱり今までの着けて行こうか、とも思うし、でもせっかく少し(ほんとに微々たる変化だけど私には重要かつ貴重な変化)胸、が、大きくしかも形良く見えるデザイン、だ、し…。
うーーーーーーーーーん、と悩みに悩んでいた時、


キンコン


Lineの通知が着た。
見るとリヴァイさんからで、


『天気悪くなるようだが、予定変えてうちに来るか?』


と着た。
……………どうしよう!!
リヴァイさんち、なんて、ほんとにこの下着を見せる確率があがってしまうわけで、でもそれはある意味、私のなけなしの色気と言うものをリヴァイさんにお見せするいい機会なわけで、うあぁぁぁぁぁ、と思いながらも、リヴァイさんからのメッセに既読がついてしまってるわけで、返信しないわけにはいかず、


『じゃあ、お邪魔させていただきます。』


なんて、勢いで返信していた……。
そしてそのことを後悔しだしたのはそのわずか1分後………。
と、言うのも、現在、下着のみの格好で姿見で自分の姿を映しているわけで…。
…………今日の選択、やっぱり早まったかもしれない……。
や、やっぱり今からもう1度、予定通り映画にしないか、って送って、


キンコン


そんなこと思っていたら、再びLineの通知が着た。
見ると、


『うちに来るなら昼飯作っとこうかと思ったが、卵が足りない。買ってきてくれ。』


すっかり家にお邪魔する流れのメッセージが着た………。
リヴァイさんて、料理もするんだよね…。
シェフが作るみたいにすっごい美味しい!ってわけじゃないけど、人並みに美味しい料理だと思う…。
だからこういうこともたまにしてくれるし、普段ならそれはすっごく嬉しいんだけど、今はそれがなんだか仇になってる気分だ…。


『わかりました。あとは足りないものないですか?』
『ない』
『じゃあ、スーパーに寄ってから行きますね。』


「…はぁ……」


深く深いため息を1つ吐き、意を決してリヴァイさんのお家に行くことにした。
………別にリヴァイさんのお家に行ったからって、毎回そういうことになるわけじゃない、し。
今日はそうならないかもしれない、し。
うん、もうそこはそれに賭けよう、なんて自分でもよくわからないことを思いながらスーパーの袋を片手にリヴァイさんのお家に向かった。


「フィーナ…」
「ち、ちょっ、やめ、」
「あ゛?」


リヴァイさんのお家についたら主夫のようにエプロンまでしてお出迎えしてくれたリヴァイさん(お昼ご飯作成中だから当然と言えば当然なんだけど)
出来上がったご飯を2人で食べて、食後に紅茶なんかも出てきて(でもリヴァイさんは紅茶好きだけど蒸らす時間が面倒だって理由で私がいるときは基本私に紅茶を淹れさせるけど)
何か映画でも観るか、って話になった時、ソファの隣に座っていたリヴァイさんが私のうなじにキスをしてきた。
リヴァイさんの胸元を押し返しながらストップの声をかけた時、思いっきり不機嫌な声を上げられた。


「き、今日、は、そ、いう、こと、やめま、せん?」
「なんだ?生理か?」


………この人にはこう「オブラートに包む」と言う表現方法はないんだろうか…。


「ち、がい、ます、けど、」
「じゃあ、いいじゃねぇか。」
「あ、ち、ちょ、やめっ、…ん…」


私の静止の声なんて、全く聞き入れられるわけなく、リヴァイさんはさも当然な流れ、と言う感じでどんどん手を服の中に入れていく。
…………あぁ、もう見られる…!!!
しかも今日はあえて黒い方を選んでしまったんだけど(デザインが可愛かったから)
今まで絶対着ない色だし、リヴァイさんどう思うか、なんて思っていたのに、


「…………」


別に何が変わるわけでもなく、リヴァイさんは淡々と、いつものように、私の服を脱がし、体中に口づけていくだけだった。
…………なんだかすっごい肩透かしな気が……。
いや、でも私が過剰に何かを期待してしまっていただけなのかも、しれない、し…。
下着1つじゃ、色気、なんて、出せないのかも、しれない………。


「は?変わりなかった?」


翌日、学校で、リコちゃんに何か元気ないよな?と言われポツリ、ポツリと昨日の出来事を語った。


「私、」
「うん。」
「あの下着買うのも、着けて行くのもすっごい勇気が必要だった、ん、だけど、ね…。」


だからってリヴァイさんがいきなり、下着見て、普段じゃ想像出来ないくらい大興奮した、とかなってもすっごい困るんだけどさ…。


「思うに、」
「うん?」
「あのチビ、ロリコンなだけにそういう下着が嫌いなんじゃないか?」
「………リコちゃんて、」
「うん?」
「リヴァイさんのこと嫌いだよ、ね。」
「あぁ、嫌いだ。」
「…そう…。」


バッサリと切り捨てるように言ったリコちゃんに大きくため息が出た。




「…………」
「…………」
「…………」
「リヴァイ、お前なぁ、人呼び出したなら何か喋ってくれ。」
「…ファーラン。」
「うん?」
「女が下着の趣味を変えるのはどういう時だ?」
「……は?下着?」
「明らかにアイツの趣味とは違う下着着けて来やがった。理由はなんだ?」
「うーん…、そうだなぁ…一般的には、女が下着の趣味変えるなんて、新しい男が出来たとかじゃねぇか?」
「……………」
「あぁ、そういやリコがこの間お袋と話してたな。フィーナちゃんが下着欲しがってたからお袋と行った下着屋に連れてってやった、って。」
「………あのクソメガネッ!!」
「そのクソメガネは俺の妹で、お前の恋人の親友だ。…ちなみにリコの話によると、フィーナちゃん真っ赤な下着買ったって話だったな。」
「(アレ以外にまだ買ってやがったのか…)」
「まぁ…、現物見たわけじゃねぇし普段を知ってるわけでもないけど、聞く限りあの子らしくない下着だよなぁ…。」
「………」
「浮気してたりとか?(まず有り得ねぇだろうが)」
「………………」
「…お前、今、そのカップにヒビ入ったぞ…。」
「…………」
「まぁ、さ。浮気どうこうってのも含めて、しばらく様子見てみる必要があるんじゃねぇの?」
「………そうだな。」




リヴァイさんとリコちゃんのお兄さんがそんな会話をしているなんて知る由もない私は、どうやったら色気というものが出せるのか、午後の授業の間もずっと考えていた。

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bkm

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