2000年後もラブソングを


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Devote my life to you++


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本人たちの意識の中では、ゆくゆくは結婚、ていうつもりでいても、世間一般ではそうは認識して貰えないわけで…。
特に私はまだ学生だから、そんな認識、されなくて当たり前なのかもしれないわけで…。
それを痛感した出来事が、つい先日起こった。




「このプリン、美味しかったですね!」


その日は放課後デートでリヴァイさんのお家にお邪魔していた日だった。


「フィーナ。」
「はい?」
「ご馳走様でした。」


今日は美味しいと評判のお店のプリンを持参でリヴァイさんちにお邪魔した。
ちょっぴりお高いだけあって、本当に美味しい!
食後のデザートでお腹も膨れたし、テンションがあがっていた時だった。


「…どうかしたんですか?」


後片付けも済んで、ソファに座っているリヴァイさんの隣に座ろうとした時、リヴァイさんが、脇腹を摩っているのに気がついた。


「あ?どうかしたって何が?」
「え?何が、って、」


そんな癖、リヴァイさんはないのに。
でも思い返してみたら、今日会ってから数時間しか経ってないけど、気がつくと脇腹に手がいってる。…ような気がした。


「お腹、痛いんですか?」


私の言葉に、リヴァイさんは初めて、自分が脇腹に手をやっていることに気がついたらしかった。


「あぁ…、昼からどうも違和感が、な。」
「…大丈夫ですか?」
「別に問題ない。」
「そう、です、か…?」


問題ない、と言われたからには、問題ない、の、かなぁ…?
でも心配だなぁ…。
なんて思いながら、その日は過ごしていた。


「あの、」
「うん?」


その日、リヴァイさんが家まで送ってくれた時、あの後も何度か脇腹に手を当てているのを見た私は、


「そこ、」
「あ?」
「…続くようなら、お医者さんに看てもらってくださいね?」


リヴァイさんに病院に行くように言った。


「…あぁ、続くようならな。」


この時のリヴァイさんが本当に続くようなら行くつもりでいたのか、適当にあしらうために言ったのか、それは私にはわからなかった。
でも…。
この後からリヴァイさんと連絡が取れなくなった。
取れなくなった、と言うか…。
日頃はリヴァイさんとデートして、家まで送ってもらった後で、リヴァイさんがお家に帰ったかなぁ?ってくらいのタイミングでお礼のメッセージをLineで送っていた。
取り立てて特別なことを書いている、ってわけじゃない。
今日は楽しかった、とか、ありがとう、とか。
至って普通の、一緒に過ごせたことに感謝したメッセージだ(だって社会人のリヴァイさんは基本忙しいし)
それに対して、俺も、だけだったり、次はいついつな、とかの短い文だったりするけど、リヴァイさんからはいつも返信が着ていた。
なのにこの日は返信がないどころか、私のメッセージに対しての既読がつかなくて…。
だけど単に気づいてないだけかもしれないし、しつこくメッセージを送るのもな、って思って、この日は眠りについた。
けど…。


「…まだ読んでない…。」


翌朝、スマホを見ても、やっぱりLineメッセージが着ている気配はなくて…。
リヴァイさんの画面を開いても、そもそも私からのメッセージを読んだ気配もなかった…。
いつも、デートした後に私がLineメッセージを送る、と言うのはすっかり定着しているはずで…。
そしてそれに対してリヴァイさんが返信をくれる、というのも定着していて…。
なのに昨日のメッセージは見てすらいない、って、そんなこと今までなかったわけで…。
元々心配性、と言うか、物事をネガティブに捉えやすい私は、もしかして何かあったんじゃ、って、朝から不安に襲われていた。


「は?クソチビから連絡がない?」


だけど世界は無情にも流れるわけで…。
どんなに心配であっても、学生な私は学校に行かなければいけないわけで…。
学校でリコちゃんに、今の心情を打ち明け、少しでも不安を取り除こうとした。


「どーせ、あのチビ、どこかにスマホ置き忘れてそれに気づいてないだけじゃない?そんな真剣に悩むなって!」


…したんだけど、相談した人間を間違えたのかもしれない、ってくらい、見事に笑い飛ばされてしまった…。
いや、私の考えすぎ、って面では笑い飛ばしてくれていいんだけど、今度はリコちゃんとリヴァイさんとの不仲について考えないといけないから……。
ため息を吐きながら、その日の授業がスタートした。
…確かにリコちゃんが言うように、スマホをどこかに置き忘れて、メッセージ自体見ていないのかも、しれない。
でも…。
あんなに神経質な人が、どこかに「忘れる」なんてこと、あり得るのかな…?
やっぱり何かあったんじゃ…。
え、何かって何?
え!?もしかして事故とか!!?
なんて。
その日の授業に全く身が入らなかったのは言うまでもない。
そしてお昼休み。


「……………」
「何?まだ連絡来ないの?」
「…ん…」


お弁当を食べる直前に、スマホを見たけど、やっぱり既読はついていなかった…。
本当に、どうしたんだろう…。
やっぱり何かあったんじゃ…。
そう思った時、


ブブブブ


スマホが震えた。
リヴァイさんかも!と勢いよく取ったら、


「え…」


それはリコちゃんのお兄さん、ファーランさんからの着信だった。

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bkm

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