2000年後もラブソングを


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Devote Xmas to you


5


「リヴァイさん、」
「うん?」
「お誕生日、おめでとうございます。」


12月25日深夜0時。
ベッドの中でその瞬間を迎えた私は、念願叶ってリヴァイさんにおめでとうを言うことが出来た。


「あぁ…、ありがとう。」


そう言ってリヴァイさんはキスしてくれた。
すごくすごく、幸せなことだと思う。
…思う、けど…。


「………」


私の隣で心地よさそうな寝息を立てているリヴァイさん。
その温もりを感じながら、なかなか寝つけずにいた。
ゴロゴロと寝返りを打ってリヴァイさんに背を向けると、目に入るのはベッド脇に置いた、プレゼント用の時計が入っている私のカバンで…。
どうしようか、ラッピングまでしてもらったし返品は、な…。
そもそも返品て言っても日が経ってるから無理か…。
なんて思っていたら、


「!」


ごろん、と、寝返りを打ったらしいリヴァイさんが後ろから軽く私を抱きしめるように、腕を伸ばしてきた。


「………」


いつもなら、…もしかしたらお泊り、って、浮かれていた私だったなら、こうやって私の前に回された手を、握り締めたんじゃないか、って思う。
だけど…。


「………」


あの人にも、同じことしてたのかなぁ…、って。
嫌なことが頭を駆け巡って、トイレに行く振りをして、その手を払い除けた。
だけど行きたくもないトイレに行っても、何も解決しないわけで…。


「………」


リヴァイさんの寝ているベッドに入っても、やっぱり、リヴァイさんには背を向けて、小さく丸くなっていた。


「…ん…」
「あぁ、起きたか?」


そのまま、なかなか寝つけなかったものの、明け方頃にはようやく眠ることが出来たらしい私は、部屋から聞こえる物音に目を覚ました。
…どことなくいい匂いもする…。


「朝飯、作っておいた。食うんだろ?」
「…はい。」


少しの寝不足で、ボーッと、する頭を抑えながら、体を起こした。
そこに座れ、と言われ、言われた通りに座ると、リヴァイさんが朝食を運んで来てくれた。
その時…。


「な、」
「あ?」
「…なんでこの時計してるんですかっ!!」


手を伸ばし、テーブルの上にお皿を並べるリヴァイさんの左腕には、リヴァイさんの見るからに高そうな腕時計ではなく、私が用意していた腕時計がはめられていた。


「あぁ…、朝起きたら枕元にあった。俺も『良い子』にしていたから『サンタさん』が来てくれたらしい。」


リヴァイさんは、自分の左腕を見ながらそう言った。


「まっ、枕元って、サイドボードの下に置いた私の荷物の中ですよね!?」
「枕元は枕元だ。『ちゃんと』24日は我慢していたから持って帰らなかったようだ。」
「…………な、に、言ってるんですか、」


リヴァイさんは、そう言った私にチラッと目を向けた。


「それっ!外してくださいっ!!」
「なんで?」
「な、んで、って、」
「『サンタさん』から『良い子にしていた俺』へのプレゼントだ。お前に返す必要ないだろう。」


リヴァイさんは、いつも通り、淡々とそう言った。
その言葉に、徐々に顔が下を向いて行った…。


「もう、良い時計、持ってるじゃ、ないです、か。」
「そうか?俺はこっちの方が良いと思うがな。」
「…そ、んな、安い時計してたら、」
「あ?」
「…みっともない、って、言われます、よ…。」
「馬鹿かお前。『サンタさん』がわざわざ俺のために選んだ物、みっともねぇとか言う奴がいたら生まれて来たこと後悔させてやる。」


何言ってんだ?って言いそうな勢いでリヴァイさんが口にした。
それを聞いたら、みるみる視界が滲んでいった。


「そ、んなこと、したら、」
「なんだ?」
「周りに誰も、いなくなっちゃいます、よ?」
「そうか。ならば、お前と2人になって静かでいいな。」


そう言いながらリヴァイさんは、私の隣に座ってきた。
滲んだ視界が零れ落ちないように、唇を噛んだ。


「それで?」


その私を知ってか知らずか、リヴァイさんは口を開いた。


「『サンタさん』から『クリスマスプレゼント』を貰ったわけだが、お前からの誕生日プレゼントは?」
「…え?」


リヴァイさんの言葉に顔を上げると、真新しい腕時計がはめられている左手で頬杖つきながら私を見ていた。


「誕生日プレゼントだ。ないのか?」


ほら出せ、とでも言うように目配せしながら言うリヴァイさん。
…誕生日プレゼント、って、だって、その時計が…。


「なんだ、ケーキはクリスマス用と誕生日用があるのに、プレゼントはないのか。」


やれやれ、と言うように、リヴァイさんはソファに深く座り、背もたれに寄りかかった。


「恋人から誕生日にプレゼントがないなんてな。」
「す、すみ、ま、せん…。」


あぁ、あんなこと言ってもやっぱりあの安い時計だけじゃ満足してないんじゃ、なんて思った時だった。


「ならば、」
「っ、」
「罰として今日1日、こうして俺の傍にいろ。」


リヴァイさんは隣にいた私を抱き上げ、自分の前に座らせ、こうして、と言いながら後ろから抱きしめてきた。


「あ、あのっ、」
「あぁ、罰と言うからにはペナルティが必要だな?今日は50センチ以上、俺から離れるな。」


そう言いながら、コメカミ辺りにキスしてきた。


「なに、言って、」
「コレは『罰』だからお前が困ることをしてやる。」
「わ、たし、」
「ほら、こっち向け。」
「ん…」


そう言って、リヴァイさんは片手で私の顎を掴み、自分の方に顔を向けさせ口づけてきた。

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bkm

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