2000年後もラブソングを


≫Clap ≫Top

Devote Xmas to you


1


世間ではどこもかしこもクリスマス一色。
と、言うことは、だ。


「誕生日プレゼント?」
「う、うん。」


リヴァイさんの、誕生日が近い、ってことだ。
バイト代もあるし、今年はちょっと、奮発したものを、なんて思ってるわけだけど。


「20代の、男の人、が、どういうもの、好きか…わからない、し。」


何をプレゼントしたらいいのか、っていう根本的な問題に陥っていた。


「なんでもいいんじゃん?」
「や、そう、いうわけには、」
「大丈夫だって!フィーナが用意したものなら何でも良いって!」
「…リコちゃん、もっと真剣に…」
「至って真剣。」


リコちゃんに何か良い案ないか、って聞いたら、すっごいテキトーな感じの答えがきた…。
まぁ…、いつものことなんだけど…。


「あ、じゃあさ、」
「うん?」
「兄さんに聞いてみる?」


アイツの好きそうな奴、知ってんじゃない?ってリコちゃんは言った。


「で、でも、リコちゃんのお兄さん忙しいんじゃ…。」
「んー…、でも先週末に論文出し終わって、年内暇って言ってたけど?」


うーん、と、人差し指を口元に持ってきて空を仰ぎ言うリコちゃん。
年内暇、なら…。


「聞いてみて、いい、か、な?」
「うん。じゃあ早速今日うち来る?」


兄さんいるはずだよ、ってリコちゃんは言った。
その言葉に甘えて、その日の放課後リコちゃんちにお邪魔した。


「やぁ、いらっしゃい。」
「お、お邪魔します。」


リコちゃんの言う通り、お兄さんは家にいた。


「兄さん、フィーナが相談乗ってほしいって。」
「相談?勉強のこと?」


リコちゃんのお兄さんは、私の家庭教師をしてくれていた時期があるから、今でもこうやって気にかけてくれてる。


「いえ、そう、いう、ことじゃなく、て、」
「うん?」
「あのチビのプレゼント何が良いと思う?って!」


どうやってきりだそうかなぁ、なんて考えていたら、リコちゃんがさっくりと話を持ち出してくれた。


「あぁ…、クリスマスってことは、リヴァイの誕生日か…。」


お兄さんは、リコちゃんの一言で納得したようだった。


「フィーナちゃんが用意したものなら何でも良いんじゃないかな?」
「ほら。」
「…………」


リコちゃんのお兄さんは、リコちゃんと全く同じことを言った…。


「あれ?何か問題?」
「それさっき私が言ったの。」
「あぁ…。」


リコちゃんの言葉を受け、お兄さんは苦笑いした。


「に、」
「うん?」
「20代、の、男の人が、貰って喜ぶもの、が、想像つかなく、て。」


お兄さんのその顔を見たらなんだか一気に恥ずかしくなった。


「…じゃあ、一緒に買いに行く?」
「え?」
「明日でいいなら時間都合つくし。現物見ながらアドバイス出来ると思うけど?」


その言葉にチラッとリコちゃんを見ると、


「あ、私明日無理。2人で行って。」


あっさり却下された…。
…お兄さんのこの申し出はすごくありがたいんだけど、なんて言うか…リヴァイさんが人生初彼氏な私としては、男の人と2人きりで出かけるなんて、リヴァイさん以外としたことがないわけで…。
どうしようどうしよう、なんてぐるぐる考え出した私に、じゃあ明日放課後ね、と一方的に約束されその日は家に帰ることになった…。




「兄さんがあそこまで親切なんて知らなかった。」
「え?あぁ…、いやだって俺もたまには女子高生とデートしたいし?」
「…兄さん彼女は?」
「聞くな。」
「でも個人的にフィーナには兄さんの方が良いかなぁ?」
「俺はリヴァイとだけは取り合う気はない。」
「なんで?妹の私が言うのもなんだけど、兄さん顔良いし、頭良いし、何良い背高いし、将来の医者候補であのチビよりも絶対勝って、」
「お前はリヴァイが本気でボコった相手の顔を見たことないからそういうこと言うんだよ。間違いなく顔の形変わるんだぞ。女1人のためにそんなリスク犯したくない。」
「…兄さんも、」
「うん?」
「合コンばかりしてないで早くちゃんと本命が出来るといいね。そこはあのチビに負けてる。」
「………」




夜リコちゃんからLineが着て、明日の放課後お兄さんが学校まで迎えに来てくれることになった。
リヴァイさん以外の男の人とデート…。
いや、「デート」と思うからなんか変に気構えてしまうんであって、むしろこれは「付き添い」が近いと思う。
そこまで思い至ったら、なんだか急にお兄さんに悪いなぁ、と思ってしまって…。
あぁ今度お兄さんにもお礼を、なんて思いながらその日は眠りについた。

.

prev next


bkm

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -